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「避難したガザ市民の行き場はもう残されていない」 国連の人道支援職員が語る

2023年12月24日、イスラエルと過激派組織ハマスの戦闘が続く中、ガザ地区南部ラファの仮設避難所付近で、避難家族のために空のガス容器を回収するパレスチナ人。(AFP)
2023年12月24日、イスラエルと過激派組織ハマスの戦闘が続く中、ガザ地区南部ラファの仮設避難所付近で、避難家族のために空のガス容器を回収するパレスチナ人。(AFP)
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26 Dec 2023 03:12:13 GMT9
26 Dec 2023 03:12:13 GMT9
  • イスラエル国防軍(IDF)はまもなく作戦を開始する地区の住民に対し、「一時的に避難し、ディール・アル・バラの避難所へ移動するよう」促している。

ガザ地区の多くのパレスチナ人は、イスラエル軍の避難勧告に従い、指定された地域に安全を求めたが、人口密度の高いこの領土にはもうスペースはほとんど残されていないことに気づいたと、国連の人道支援チームリーダーが25日に述べた。

数週間にわたりガザに派遣されているジェマ・コーネル氏は、すでに何度も避難を余儀なくされた何千人もの人々が、目的地が安全である保証がないまま再び逃げ惑う状況を、「人間のチェス盤」と表現した。

ハマスとの戦いにおいてイスラエルの最も強固な同盟国である米国は、数週間前からイスラエルに対し、安全地域の特定、および人々が脱出するための人道的なルートを確保することで、民間人の被害を最小限に抑えるためのさらなる措置を講じるよう圧力をかけ続けている。

「人々はマットレスや所持品をバンやトラック、車に積んで南部に向かい、安全な場所を探している」と、25日にガザ中央部のデイル・アル・バラ地区を訪れたコーネル氏は述べた。

「多くの人と話をした。ラファにはもうスペースがほとんどなく、人々はどこに行けば良いのかわからない。どこかで避難勧告が出されるたびに、まるで人間がチェス盤の上で動かされているように思える」

「人々はその地域から別の地域に逃げる。しかし、そこも安全ではない」と、国際連合人道問題調整事務所(OCHA)のチームリーダーである彼女は語った。

イルラエル軍の対応について尋ねられた軍の報道官は、軍は戦闘地域から民間人を避難させようとしているが、ハマスが組織的にそれを阻止しようとしていると述べた。同報道官は、パレスチナ過激派組織は人間の盾として市民を利用していると非難したが、同組織はこれを否定している。

「ガザに安全な場所はない」

コーネル氏は、デイル・アル・バラにあるアル・アクサ病院で亡くなった9歳の少年アフマド君の死について語った。夜間のイスラエルの空爆で負傷した多くの人々が運ばれてくる同病院に、彼女は約1時間半滞在した。

「彼は避難勧告が出ている地域ではなく、安全なはずの地域にいた。ガザに安全な場所はない」と彼女は語り、彼女が病院にいたときにも新たな空爆が行われ、負傷者が運び込まれるのを目撃したと付け加えた。

彼女が共有した、イスラエル軍からの通知は、少なくとも6つのガザ中心部の住民に対し、22日までに避難するよう促す内容だった。

通知は、イスラエル国防軍(IDF)がまもなく彼らの地区で作戦を開始するため、「一時的に避難し、デイル・アル・バラの避難所へ移動するよう」促している。

軍の報道官はロイターに対し、「IDFは、国際法を完全に遵守し、テロリストと民間人を区別し、民間人への被害を最小限に抑えるために可能な限りの予防措置を講じながら、ハマスに対して行動する」と述べた。

米国当局者は、イスラエルがより小規模な作戦、また、より標的を絞った局地的な攻撃段階へ移行することを期待していると繰り返し述べている。

しかし、イスラエルの作戦は激化している。

クリスマス・イブは、イスラエルとハマスの間の11週間に及ぶ戦争で最も死者数の多い夜の一つとなった。ガザのパレスチナ保健当局によると、中心部および南部で行われたイスラエル軍の空爆により100人以上のパレスチナ人が死亡、これまでの死者数は約2万700人に達したという。

パレスチナ人が犠牲者を悼む中、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、10月7日の境界を越えた攻撃で1200人を殺害、240人を拉致したハマス過激派との戦いを続けることを誓った。この数値はイスラエルによるものである。

ロイター

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