
Najia Houssari
ベイルート:レバノンのキリスト教大主教は24日、新政府樹立を妨害したことで「頑固で破壊的な」高官らを激しく非難した。
マロン派大主教ベカラ・ブートロス・ライ枢機卿は自身の説教を使って、このプロセスを妨害している者たちを非難し、パンデミックと金融危機の中でのレバノンの悪戦苦闘ぶりを悲観した。
ベイルートで8月4日に起きた大爆発事故の後、内閣が総辞職してから、政治家らは新政権について合意していない。また、ミシェル・アウン大統領とサード・ハリリ次期首相との間で緊張が急激に高まっている。
ライ枢機卿は、行き詰まりと複雑さを解決するために調停努力を主導したが、同氏の試みは失敗した。
ライ枢機卿は「一つの独立した存在、機関としての国家に対する、頑固で破壊的な姿勢を崩さない、レバノン高官らの強情さ」に怒りをあらわにした。
「あなたたちは、どんな良心で、どんな大義名分で、どんな権限と権利で、誰の命令で、政府を作らないのだ」と同氏は強い調子で尋ねた。「国民が苦痛で叫び、貧困で飢え、病気で死んでいるのに、なぜ政府を作らないのだ」
「病院は患者でいっぱいだった」と同氏は続けた。診療所や薬局には薬がなく、店には食料がなく、金融・経済危機は頂点に達していた。
「経済は衰退し、農業生産は破壊され、人々はどうしようもないほど金を求めて銀行の入り口に立っている。国の主要な軍事・金融・司法機関は、計画されたキャンペーンと悪意のあるうわさのために、名声や士気、高官が打撃を受けている」
国境は制御できず、国費で密輸が行われ、主権は不完全で、独立は停止され、汚職が横行し、国民の半数以上が失業と貧困の影響を受けた、と同氏は付け加えた。「首都は苦しみ、港は破壊され、石油とガスによる富は取り上げられ、この国は最終的な崩壊の軌道に入った」
同氏が怒ったのは、なぜ政府が樹立されないのかという問いに関する、この国の派閥間の激しい論争の後だった。
アウン氏は、大統領には組閣全体を正式に承認する前に承認する、憲法上の権利があると述べた。一方、ハリリ氏は、問題はハリリ氏にあるのではなく、「反対し、この人、あの人を承認しないと言っている大統領にあるが、反対していることの説明にはならない」と述べた。
アウン氏の義理の息子であるジュブラン・バシル議員率いる自由愛国運動(FPM)が23日夜に出した声明が、ハリリ氏を攻撃した。
「外国が指導する時代は終わった。一部の者がそれを国内の覇権に替えようとしているのは幻想だ」とその声明には書かれていた。「これは、レバノンの構成要素である政治的権利を獲得するのを諦めるということだ」
FPMのCesar Abi Khalil議員は次のように述べた。アウン氏は辞任しないだろうし、FPMの議員は、ハリリ氏が現段階で求められている仕事をできると信じていないので、政府の指導者として同氏の名前を挙げていない。
無礼な言葉がソーシャルメディアをに火を付け、「ぼけたアウン」や、レバノンのナビ・ベリ議会議長のことを言った「窃盗と汚職のベリ」といった過激なコメントが見られた。
Nazem El-Khoury元大臣は、ライ枢機卿は説教の中でレバノン国民全員の苦みを表現したと述べた。
El-Khoury氏はFPMに対し、「キリスト教徒の権利を守ると主張する者たちへ、マロン派大主教やレバノンの全国民より強くキリスト教徒の権利を主張しないでください」と述べた。
レバノンの日刊紙Ad-Diyarは24日、政治・議会の当局者が、「レバノンを破滅させる陰謀があるかのように、レバノンで問題が解決するのを邪魔しようとする企て」を懸念していると報じた。
その当局者は、必要なのは「ハッサン・ディアブ氏率いる暫定政府が、期間が終わるまで存続すること」ではないかという懸念を表明した。
ディアブ氏は昨年1月、過去数十年で最悪の経済危機に取り組むために政府を樹立した。ディアブ政権は、前任者のハリリ氏が大規模な抗議行動によって辞任した後に発足した。