


ナジア・フサリ
ベイルート:レバノンのハッサン・ディアブ暫定首相は土曜日に沈黙を破り、国内で最も貧しい都市トリポリでの数日間の暴力的な抗議行動を「国家とその品位に対する攻撃」と非難した。
「暴動に参加した者は全員逮捕されるだろう」とディアブ氏は述べた。
同氏の発言は、この1週間で起きた死傷者の出た衝突を受けて出された。レバノンでは、新型コロナウイルスによる都市封鎖の延長と悪化した経済危機に対する抗議行動が起こり、暴徒化していた。
30歳のオマル・タイビさんが抗議行動中に治安部隊に撃たれ、人々の不満が極度に高まった。その後に続いて起きた衝突で220人以上が負傷した。
木曜日、激しい怒りが高まり、抗議者たちがトリポリのいくつかの建物に火をつけた。
火炎瓶や手榴弾、石が治安部隊に向けて投げられたことで、暴力行動は急速にエスカレートした。これに対し、治安部隊は催涙弾、ゴム弾、実弾の順で対応した。
しかし、抗議行動が他の地域にも広がったため、暫定政府に対する怒りの表明を抑止することにはつながらなかった。
土曜日、女性の抗議者グループがレバノン第2の都市トリポリとアッカルを結ぶ幹線道路を封鎖した。女性たちは、もはや家族の必需品を確保できなくなったと訴えた。
別のデモ隊がレバノンのモハメド・ファハミ内相が住むベイルートの自宅をデモ行進し、治安部隊によるトリポリの抗議行動への対応に怒りを表明した。
土曜日遅く、ベイルートのハムラ商業地区で発生した銃撃事件は、首都での暴力行動が悪化することへの不安を引き起こした。
しかし、治安部隊はこの攻撃を「他とは関連性のない事件」と表現した。
治安筋はアラブニュースに「配達の運転手と住民の1人との間で問題が始まりました。シリア社会民族党の若者たちが口を出し、シリア人の配達ドライバーをかばいました。それから、空に向けて発砲を始めました」と語った。
付近の住民が通りに現れた後、部隊が到着し、立ち入り禁止となったと情報筋は述べた。
一方、元首相で、未来運動の会派のリーダーであるフアド・シニオラ氏は 「トリポリの暴動でレバノンの政治的分裂が深まり、救済政府の結成がさらに難しくなりました」 と警告した。
「現在の状況で最も危険なのは、政治勢力が国の救済先を決定する際に主導権を握れないことです」と同氏は述べた。
「各党派は2つの闘いを繰り広げています。1つは、激しい内部闘争で、自分たちを唯一の代表として押しつけるために行われています。2つは、他の党派との過酷な闘いで、政府内での党派の割り当てをめぐり行われています」
レバノンのサード・アル・ハリリ次期首相とゲブラン・バジル氏率いる自由愛国運動 (FPM) の政治論争が土曜日に行われ、両者がお互いを非難し合った。
バジル氏はアル・ハリリ氏に対し、「すぐにバブダ宮殿に向かい、大統領との合意と完全なパートナーシップに基づく政府を形成すること、つまり、幅広い政治的、国民的支持を受ける政府を樹立すること」を求めた。
FPMは、政府を形成をする上でのパートナーシップの要求を「権利」と表現した。
しかしその後、未来運動はFPMを「キリスト教徒の権利を一部の人間の権利にしている」と非難した。