アンマン: 国際刑事裁判所（ICC）は、同機関がイスラエル占領地で犯された戦争犯罪に対する司法管轄権を有するという裁定を下した。パレスチナ当局はこれを歓迎し、この判決により被害者が司法にアクセスするための新たな希望が得られると述べた。

金曜の三審法廷の判決により、イスラエル入植地の拡大および2014年のガザ侵攻時にイスラエル軍によって行われたとされる人道法違反、さらにイスラエル民間人に対するハマスのロケット攻撃に対する調査への道が開かれることとなる。

この判断の中で、ICCは同機関の司法管轄権は「1967年以降のイスラエルによる占領地、つまりガザおよび東エルサレムを含むヨルダン川西岸地区にも適用される」と述べた。

パレスチナ解放機構執行委員の元メンバーであるハナン・アシュラウィ氏は、ICCの判断が意味するのはイスラエルは「責任を問われる」ということであるとアラブニュースに語った。

この裁定はさらに、裁判所はドナルド・トランプ政権からの脅迫に屈することを拒否したことも示した、と同氏は言う。

「トランプ政権下で、彼らは裁判所を攻撃しました。それが失敗すると、検察官を個人的に追求しました。彼らはイスラエルに責任を問う者に対しては誰であれ、圧力をかけ、脅迫を行うことに取り憑かれていました。彼らはICCの検察官の一人一人に狙いをつけ、銀行口座を凍結し、ビザのブラックリストに掲載したのです」

アシュラウィ氏はトランプ氏の退陣と判断の発表を直接結びつけ、「トランプ氏の退陣によってこの裁定が可能になったという事実があります」と述べた。

ICCは「圧力に耐えました。これから戦争犯罪への責任追求が始まるはずです」と同氏は語る。

「彼らはイスラエルを守るためだけに、国際的な司法システムに干渉することに縛り付けられてきました。しかし、魔神はついに外に出され、元に戻すことはできません」

アシュラウィ氏は、どの国も戦争犯罪を犯す前によく考えるべきだと言う。「これは、彼らが訴追免除を享受することはできないということを示す明確なシグナルです」

イスラルの人権団体ベツェレムはこの裁定を「歴史に残るICCの判断」として歓迎し、「イスラエルの行動に対する抑止効果」を持つこととなり「刑事免責の終焉」をもたらすと述べた。

パレスチナ外相官邸局長アフマド・ディーク氏は、ICCの判断は「被害者にとって、そして国際的な正義にとっての勝利です」とアラブニュースに語った。

この裁定により、ついに正義がもたらされるための道が提供されることになる、と同氏は言う。

イスラエルの弁護士であり平和活動家にして東エルサレムの状況の専門家であるダニエル・シードマン氏は、ICCの判断はイスラエルとアメリカ双方の取り組みとっての「地震」であると表現した。

「ICCはイスラエルの領有権主張（とアメリカによる承認）を却下しました」と氏はツイートした。

シードマン氏は、イスラエルの司法、警察、土地当局は軍隊とともに監視下に入ることになるだろうと述べた。

「前例のない挑戦です」と氏は言う。

国連の常任パレスチナ代表リヤード・マンスール氏は、ICCの判断は国際舞台での長年の戦いの成果であるとアラブニュースに語った。

「長年に渡り、人々はこうした国際的な努力の重要性について懐疑的になっていました。しかし、もしパレスチナが国連のオブザーバー国家になることなく、ローマ規程の資格を得てICCに加盟することがなかったとしたら、この裁定を得ることはできなかったでしょう」と氏は語った。