
日本第三の大手自動車メーカー日産自動車が、現会計年度の損失予測額を3分の1以上削減した。日産は中国の需要拡大とコスト削減によって業績を挽回している。
コロナ禍による不況から世界最大の中国自動車市場が持ち直していることによって、日産その他世界の自動車メーカーが売り上げを挽回しつつある。しかし、半導体の供給不足により日産や同業他社は生産削減を強いられており、それが自動車業界の回復を阻む恐れがある。
日産は3月末までの現会計年度で今回2,050億円の赤字を予測している。当初は3,400億円の赤字が見込まれていた。年間販売台数目標についても416万5千台から401万5千台へ下方修正した。
修正後の営業損失額は、レフィニティブ・スマートエスティメートの調査で19人のアナリストが予測した平均損失額2,301億円よりも小さくなっている。
中国の自動車市場は12月に6.4%拡大し、COVID-19 パンデミックからの自動車業界の回復の先陣を切っている。
世界的なチップ不足により、日産は先月コンパクトカー「ノート」の生産削減を強いられた。ノートは同社ベストセラーの車種で、新型ハイブリッドテクノロジーを特徴としており、日本の神奈川県追浜工場で生産されている。
日産は北米生産でも短期の生産調整を行っており、ミシシッピー州カントン工場のト ラック生産ラインは週3日の生産休止を実施している。
日産の損失額の修正は、ルノーを筆頭とする三社アライアンスの傘下にある三菱自動車が、3月末までの会計年度の営業損失予測をコスト削減によって先週下方修正したことに続くものだ。
日産は失墜したカルロス・ゴーン前会長の猛然たる世界拡大戦略から後退しつつも、日本、中国、米国で多種の新型車を立ち上げることを約束しており、その一つとして、新型電気自動車により環境保護への意識が高まりつつあるドライバーたちを惹きつけることを狙っている。
日産は年間固定費を3千億円削減し、最大モデル数を5分の1減らすと宣言した。
日産-ルノーはコロナ禍に突入する世界の自動車メーカーの中でも最も危ぶまれていた。この不況から脱出し、電気自動車や他のテクノロジーへの投資負担を共有するためにどのように提携関係を活用するのかについて、明確な計画に欠けていたからだ。
日産は昨年12月末までの四半期に、前年度の227億円に対して271億円の営業利益を記録した。しかしレフィニティブ・スマートエスティメートの調査で7人のアナリストが予測していた平均営業利益は435億7千万円であった。
ロイター