
ベイルート:2月26日(金)、人権擁護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は、イランの革命防衛隊が、隣接するパキスタンへ燃料を運び込もうとしていた密輸グループに対して過剰な武力を行使したとして、その銃撃に関する調査を行うよう要請した。
2月22日(月)にサラヴァンの町に程近い国境地区で起きた銃撃で、10人以上が死亡、5人が負傷した、とHRWがバローチ人の活動家らからの報告を引用した。
イランのイスラム革命防衛隊は、まず燃料の輸送に使用されていた道路を閉鎖し、その後、その道を開けようとしていた密輸者らに発砲したという。
この行為に怒った抗議運動者らは、直ちにサラヴァンおよびシスタン・バローチスタン州都ザーヘダーンの二カ所で政府の建物を襲撃した。
「イラン当局はサラヴァン国境地区における銃撃について早急に透明かつ公平なる調査を行う必要がある」とHRWのイラン調査官タラ・セペフリー・ファーが発言した。
「当局は加害者たちの不正行為について説明責任を追求し、被害者に対して適切に補償し、国境警備員が人命と人権を尊重するよう最大限の予防策を講じなければならない」
2月23日(火)、ムハンマド-ハディ・マラシ副州知事は、銃撃は国境のパキスタン側から始まったもので、1人が死亡、4人が負傷したと述べている。
シスタン・バローチスタン州はイラン政府にとって長年その治安について懸念対象となっている。
その州の大規模なバローチ人人口は国境をまたいで広がっており、分離派やスンニ派の過激派グループによる政府やシーア派の標的への国境をまたいだ攻撃の発火点となっているからだ。
HRW によると、同州内における雇用機会の不足により、バローチ人住民は国境の向こうのバローチ人仲間との闇市で生計を立てる以外ほとんど手立てが無い状態と なっているという。
「西部の西アゼルバイジャン州やクルディスタン州(イラクとの国境上)同様、経済的機会の不足によって多くの住人が国境を挟んだパキスタンとの不法商売に従事するようになっている」とニューヨークを拠点とするウォッチドッグは言う。
AFP