
パレスチナ自治区ガザ市:イスラエルは12日、ガザ地区ではあまり見られない標的を絞った攻撃により、イランの支援を受けたパレスチナの武装組織「イスラーム聖戦」の最高司令官を殺害した。司令官が一連の越境攻撃を実行し、さらに計画していたとして非難している。
バハ・アブ・アル=アッタ司令官が自宅で殺されたことにより、ガザ地区を支配するハマスに新たな課題が突き付けられそうだ。 ハマスは2014年の戦闘以来、おおむねイスラエルと休戦を維持しようとしてきた。
医療チームの話では、未明にガザ市のシェジャイヤ地区の建物を襲った爆発では、少なくとももう1人の死者(女性)が出た。その他2人が負傷した。
目撃者によれば、その直後、パレスチナの武装勢力がイスラエルにロケット弾を一斉に打ち込んだ。イスラエル側の犠牲者や損害は今のところ不明。イスラエルの警察は、念のためガザ境界の道路を何本か封鎖したと発表した。
イスラエル軍は声明の中で、ベンジャミン・ネタニヤフ首相がアル=アッタ司令官に対する作戦を許可したと述べ、イスラエルに対する最近のロケット砲やドローン、狙撃手による攻撃、それに潜入計画に責任があるとした。
「アブ・アル=アッタは、ガザ地区におけるパレスチナのイスラーム聖戦の大部分の活動に責任があり、時限爆弾だった」と声明は述べ、「様々な手段による差し迫ったテロ攻撃」を計画していたとしてアルアッタを非難した。
イスラーム聖戦は声明の中で司令官の死を認め、「英雄的な聖戦士の活動」中だったと述べた。
さらに、「われわれの報復は不可避であり、シオニスト国家を揺さぶるだろう」とイスラエルに言及した。
イスラーム聖戦は、「打倒イスラエル」というハマスの理念を共有している。しかしハマスと違い、 イスラエルとの休戦協定を成立させるエジプト主導の動きにしばしば苛立ちを見せている。
イスラエルのアナリストは、イランがイスラエルとの地域対立を拡大させる中で、イスラーム聖戦をガザの拠点として養成していると述べている。
Reuters