
ニコシア:3月9日(火)、キプロスのエネルギー相によると、イスラエルとキプロスが両国の海域にまたがる天然ガス田に関して合意に達したという。これは海底資源を巡る9年越しの難局を打開するための重要なステップとなる。
キプロス沖のアフロディーテガス田のわずかな一部がイスラエルの海域ともう一つのガス田にかかっているため、アフロディーテガス田の開発が中断されていた。このキプロスのガス田は2011年に発見された。
キプロスのエネルギー相ナターシャ・ピリデス氏によると、彼女とイスラエルのエネルギー相ユヴァル・シュタイニッツ氏がこの問題の解決にむけた枠組みに合意し、当プロジェクトに関与している各企業にガイドラインが提示されることになるという。
「この枠組みは現在草案中の合同書簡の中に記載されることになる。我々は共に、9年間に及ぶ議論の末ようやくこの段階に達することができたことに大変満足している」とピリデス氏がシュタイニッツ氏と共に報道陣に対してそう述べた。シュタイニッツ氏は別のプロジェクトに関する合意内容の覚書に調印するためにキプロスに来ており、間もなくキプロスを後にする。
シュタイニッツ氏によれば、最終的に解決に至る「かなりの可能性」があるという。「100%確実なことは何もないが、この合意によって、エネルギーその他多くの問題に関してキプロスとイスラエルの間に存在する小さな、されど重要な障壁への解決が導かれる可能性は大いにある」と彼は半官半民のキプロス通信局を通してコメントした。
キプロスは2019年にアフロディーテガス田の開発のため、ノーブル・エナジー、シェル、デレク・ドリリングの各社との25年間の採掘権に調印している。
イスラエルは、アフロディーテガス田の一部がイスラエル海域にかかっているため、採掘作業が開始される前に合意が結ばれる必要があると主張を続けてきた。
アフロディーテガス田は推定4.1兆立方フィートの天然ガスを埋蔵している。そのおよそ10%が紛争の対象となっており、これはイスラエルですでに発見されている天然ガスのごくわずかな部分にすぎない。
3月8日(月)、キプロス、イスラエル、ギリシャの三国は、地中海を横断してそれぞれの送電網へ接続させる海中電力ケーブルの設置に関する協定に調印した。