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サウジアラビアの労働改革で新時代が到来、外国人労働者が歓喜

外国人労働者たちは、自らの雇用への選択肢が広がり、支援が増えると言って、この改革案を熱烈に歓迎している。(サウジ国営通信)
外国人労働者たちは、自らの雇用への選択肢が広がり、支援が増えると言って、この改革案を熱烈に歓迎している。(サウジ国営通信)
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14 Mar 2021 05:03:09 GMT9
14 Mar 2021 05:03:09 GMT9
  • 外国人労働者へのスポンサー制度、カファーラ制度の改正で、民間部門の外国人労働者は労働力の流動性を高めることになる

ヘブシ・アル・シャンマリとハラ・タシュカンディ

リヤド: 3月14日、数百万人の出稼ぎ労働者と外国人労働者に、さらに自由裁量権を与える歴史的な労働改革が実施され、サウジラビアは新時代の到来を告げている。

外国人労働者へのスポンサー制度、カファーラ制度の改正で、民間部門の外国人労働者は労働力の流動性を高めることとなり、転職や雇用主の同意なしにこの国を離れることが可能となる。

魅力的な労働市場を創出しようとする王国の取り組みの1つであるこの抜本改革により、外国人労働者が行政サービスを直接申請することが可能となり、外国人労働者の雇用契約はデジタルで管理される。

「競争力のある公正な労働環境」を育てることを目的とする王国の労働改革イニシアティブ(LRI)による改正で、1,000万人もの出稼ぎ労働者が恩恵を受けるはずだ。

このイニシアティブのお陰で、外国人労働者が、特定の雇用主の許可を得ずに、在留資格を取得し、入国・再入国ビザの交付されるようになる。さらに、雇用者と雇用主の両方の権利を守りながらも、このイニシアティブは労働力に流動性を与えることになる。

「これは、私がサウジに働きに来てから起きた最も良い出来事です」と、5年間王国で暮らしているインド人の在留労働者、イムロズ・アブドゥラマンさんがアラブニュースに語った。

「4年前を思い出します。その時、私は自分の元雇用主のもとを離れて、転職して、別の家族のところに働きに行きたかったのです。この手続きは、当事者の誰にとってもとても複雑で困難でした。この問題を解決するために、数カ月掛かりました」

アブドゥラマンさんは、次のように付け加えた。「これは大きな進歩であり、たくさんの人々のために役立つでしょう。私は自分の働ける職場をもっと自由に決めることができるようになり幸せです。そして、私のような人々が、今後より多くの支援を得られるようになると思っています」

しかし、情報テクノロジー企業のベイト・アル・エダラのアブドゥルガニ・アル・アンサリ会長は、労働改革が民間部門の中小企業(SMEs)にとって、「大きな課題」だと語ったが、サウジビジョン2030の目標の一環として、公共部門がこの労働改革を主導しているところだ、と付け足した。

「民間部門はまだ、この改正を受け入れようとしているところです」と、同会長はアラブニュースに語った。

雇用主はサウジ人労働者と外国人労働者の一律化を進めるために、雇用契約書を電子文書化する必要がある。

「今日、SMEsでの人材開発に関して、私たちの前に大きな課題が横たわっています。SMEsはこのイニシアティブのコンセプトとメカニズムを、簡単に受け入れることが困難だと考えているからです」

アル・アンサリ会長は、この新しい改正規則に適応するために、SMEsなら6カ月は猶予期間を設けて欲しいと語った。

「SMEsには自社の機密事項を守る法律がないので、ある企業の機密事項が、別の競合する企業に渡ることになります」と、同会長は語った。

メディナ商工会議所で人的資源委員会を率いるアル・アンサリ会長は、労働市場が劇的に変化していると語った。

「しかし、知力と能力に国籍や人種があるわけではありません。そして、民間部門は、収益性と高業績者の行動特性を信奉しているので、多様性は好ましいことであり、国家経済を潤すことになるでしょう」と、同会長は語った。

10年間サウジアラビアで暮らしている家庭内労働者、グロリア・カリナオさんは次のように述べた。「カファーラ制度の手続きが、どんなに複雑だったのかを覚えています。私は家庭内労働者にも、この新たな規則が適用されれば良いのにと思っています。そうすれば、家庭内労働者たちも、労働力の流動性を享受できます」

2つの政府ポータルサイト、アブシャー(Absher)とキワ(Qiwa)には、この改革の手順が示されている。

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