
アンマン:ヨルダンは15日、催涙ガスを使用し、COVID-19の深刻な感染拡大を抑制するために実施した夜間外出禁止令に反対するデモを鎮圧した、と目撃者や住民は話した。
数百人の抗議者が、アンマンを含むいくつかの都市で2日連続でデモを行い、先週延長された夜間外出禁止令を無視した後、警察は措置を講じた、と彼らは話した。
抗議者の多くは政府に総辞職を求め、パンデミック発生以来実施されている非常事態法の廃止を要求した。同法は公民権や政治的権利を侵害している、と市民団体は主張している。
13日に公立病院の医師が、人工呼吸器への酸素供給の減少を2時間以上放置したことで9人(主にCOVID-19の患者)が死亡したとされる事件に怒りをあらわにする者もいた。
目撃者によると、活動家がいくつかの都市や町で大勢集まったため、当局は抗議者を解散させるために機動隊を数千人配置した。
住民によると、アンマン近郊の、人がたくさんいるジャバル・ナザルを含む複数の都市で群衆を解散させるために催涙ガスが使用された。
デモ参加者やユーザー、通信業界の消息筋の生放送を可能にする一部のFacebookアプリケーションを当局はブロックした、とロイターは伝えた。ブロックは数時間続いた。
政府はすぐには声明を出さなかった。
夜間外出禁止令は、昨年実施されて以来、数回延長された。最近では、COVID-19の感染者数が急増する中、12日に実施された。
ヨルダンでは過去24時間に新型コロナウイルスの新規感染が9417件報告された、と当局は15日、発表した。パンデミックが始まって以来、一日の感染者数としては最多。人口1000万人の国で、5428人がこのウイルスによって死亡した。
ヨルダンのアブドラ国王は、国営メディアで放送されたコメントの中で、国民が生活状況の悪化に不満を感じていることは理解していると述べた。ヨルダンは昨年、パンデミックの結果、ここ数十年で最悪の不況に見舞われた。
しかし国王は国民に、反体派に惑わされないよう警告し、反対派は「国内に争いの種をまこう」としていると述べた。
生活水準の悪化と汚職に対する当局への怒りによって、これまでにヨルダンでは大きな社会不安が起きている。
抗議者の多くは、急進的な政治的変化を求める、この国の伝統的な反対派勢力ヒラークと、ロックダウンによって痛手を受けた自営の労働者が合わさったものだった。
ロイター