


ベイルート: 水曜日、レバノンのミシェル・アウン大統領は、首相に指名されたサード・アル・ハリーリーに対して、すぐに大統領府に来て組閣を行うか、さもなくば、それをできる者に道を譲るよう求めた。
「もし首相に指名されたハリーリーが組閣を行うことができないのなら…それをできる者に道を譲るべきだ」アウンは話をするためにバーブダ宮殿に招待した後で、テレビ放送されたスピーチでこう述べた。
10月の指名以来、アウンとハリーリーは組閣に関して対立している。
水曜日の早朝、レバノン人の抗議者は、現地の通貨が急落するにつれて生活必需品の価格が爆発的に上昇していることを非難するため、一時的に経済省に押し入ろうとした。
AFP通信特派員によると、レバノン・ポンドがドルに対して15,000の安値を更新した日の次の日、およそ20名の抗議者が同省のベイルート本庁舎の外に集まった。
一部の者は建物に侵入しようとし、治安部隊との間に緊張が走ったと、国営通信社のNNAは伝えた。
ある抗議者は「ひと袋のおむつや1パックのミルクのために、我々は殺し合いをしている」と地元テレビ局に語った。
彼は政治家層が「我々に屈辱を与えている」と述べ、消費者物価の上昇を非難した。公的な統計によれば、消費者物価は2020年の間に146%近く上昇している。
その後、午後になってデモ隊はベイルート近郊の大統領府に向かい行進しようとしたが、治安部隊に止められた。
その他の者は、国中で複数の主要道路を、燃えるタイヤや火を付けられたごみ箱で塞いだ。
レバノンは1975年から1999年まで続いた内戦以来、最悪の経済危機に囚われている。
1997年以来、公的には1ドルに対して1,507に固定されているポンドは、非公的取引ではその価値の約90%を失っている。
水曜日には、1ドルに対して14,000前後へと変わっていた。
辞任する経済相のガージー・ワズニーは水曜日に、フランスから戻ったばかりの中央銀行総裁リアド・サラメと面会した.
経済省の声明によると、この面会の中で、サラメは「為替レートの引き下げ」の提案を申し入れた。
同省と中央銀行はこの提案を24時間以内に検討すると声明は述べている。
また同じく水曜日、燃料供給業者の組合の長であるファーディー・アボウ・チャクラは、既に世界的に価格が急上昇しているガソリン価格の新たな値上げを発表した。
今回の値上げで、ガソリン価格は7月から49%近く上がっていることになる。
レバノンの危機は、同国の先細っている外貨準備高も浸食している。この外貨準備高は、これまで燃料や小麦粉、薬などの重要品目に対する助成金の資金源となっていたものだ。
減り続ける資金のため、政府はこういった支援をカットせざるを得なくなり、さらに多くの国民を貧困へと落とすことになるだろう。
米国は、55%ものレバノン人が国際貧困ラインである1日3.84ドルを下回る生活をしていると述べている。
また同国は政治的こう着状態にも直面している。200人以上を殺害し首都を大きく損ねた8月4日の爆発事故で首相のハッサン・ディアブが辞任してから7か月もの間、新たな政府が合意されていないのだ。
ロイター/AFP