
ドバイ:イランは再設計したアラクの原子炉を年内に完全に稼働させる前段階としてコールド試験を行うと、イラン原子力庁が金曜日に発表した。
地元メディアはベフルーズ・カマルバンディ報道官を引用して、コールド試験は今週日曜日に始まるイランの新年度の早い時期に行われると報じた。コールド試験は通常、流体システムと支援システムの初期起動を含んでいる。
「言い換えれば、我々は燃料や貯蔵などの分野で作業を進めている」とカマルバンディ報道官は話した。
イランは最近、2015年の国際的な核合意に違反する行動を拡大させており、明らかにジョー・バイデン米大統領に圧力をかけて前大統領の合意破棄を撤回させようとしている。双方は、どちらが先に合意を復活させる行動を起こすかでこう着状態に陥っている。
イランは2015年の合意で、テヘランの南西約250kmに位置するアラクの原子炉を停止することに合意した。アラクの原子炉では限られた量の重水を生産することが認められており、イラン政府は原子炉の再設計に取り組んできた。イラン政府は医療・農業用のアイソトープを製造する予定だとしている。
今週、国際原子力機関は加盟国への報告書の中で、イランがナタンツの地下核施設で2種類目の高性能遠心分離機「IR-4」を使い、さらなる合意違反となるウラン濃縮を開始したと発表した。
イランは昨年、ナタンツの地上にある工場から地下の燃料濃縮工場(FEP)へ、異なる型式からなる高性能遠心分離機のカスケード(クラスター)3組の移動を開始した。イランはナタンツの地下ですでにIR-2m遠心分離機を使った濃縮を行っている。核合意では、イランが地下施設で使用できる遠心分離機は第1世代のIR-1のみとされている。
イランはフォルドの別の工場で20%の濃度までウランを濃縮している。
ロイター通信