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ヒズボラがレバノン政府の公約を破る

レバノン経済の崩壊は、1975~1990年の内戦以来最大の安定への脅威となっている。(AFP)
レバノン経済の崩壊は、1975~1990年の内戦以来最大の安定への脅威となっている。(AFP)
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20 Mar 2021 12:03:04 GMT9
20 Mar 2021 12:03:04 GMT9
  • マロン派大主教の情報源は、レバノンの中立化の要求に対する「裏切り」を非難

Najia Houssari

ベイルート:ヒズボラは、政治に関係しない専門家で構成されるレバノン政府を作るという事前の合意を破棄し、政治勢力に支持されていない指導部はどんなものでも「1~2週間で倒れるだろう」と主張した。

政党・武装組織ヒズボラの方針が変わったことで、22日に予定されているミシェル・アウン大統領とサード・ハリリ次期首相の18回目の会談が、政府樹立をめぐる長期にわたるこう着状態を終わらせるという希望は打ち砕かれた。

ヒズボラの最高指導者、ハッサン・ナスララ師が18日のテレビ演説で述べた意見によって、レバノンが国際社会の信頼を得て、壊滅的な経済・健康危機から立ち直るのを助けるために、政治勢力の後ろ盾がない政府の樹立を目指してエマニュエル・マクロン大統領が始めたフランスの努力も台無しになった。

ハリリ氏が率いる未来運動の大物、ムスタファ・アルーシ氏は、「22日に政権樹立に合意する可能性はあるが、ハリリ氏には政治的な政府を復活させる意思はない。過去の経験からすると、必ず失敗するからだ」と述べた。

アウン氏は20人の閣僚と、行動を阻止する第三者で構成される政府、ハリリ氏は18人の専門家で構成される政府を強く求めている。

双方の意見の衝突は17日、声明が交換された後、エスカレートし、アウン氏はハリリ氏に対し、政府を樹立できないならば辞任するよう求めた。

ハリリ氏はアウン氏に対し、早期の大統領選挙の日程を決めるよう求めることで対応した。

22日の会合で政治的行き詰まりが終わるかもしれないという期待から、当初闇市場では対ドルで1万5000レバノンポンドを超えていたが、その後1万1500レバノンポンドまで上昇した。

しかし、ナスララ師の演説後、レバノンポンドは19日に再び価値を下げた。

ナスララ師は演説で、レバノンが支援に頼っている国際通貨基金を批判し、レバノンに中立であるよう求める声を非難し、これらはレバノンを「中東地域で米国とイスラエルが形成する枢軸」に含めるための努力の一環だと述べた。

ナスララ師はまた、レバノン中央銀行のリアド・サラメ総裁の政策に対し、ドル相場の改善が必要だと警告した。

ナスララ師はハッサン・ディアブ暫定首相に対し、「政府がすぐに発足しない場合には、プランBで」政権運営するよう求めた。

ナスララ師はまた、道路を塞いでいる抗議者らを非難し、そのような行為は「禁止されている」と述べた。

ナスララ師は演説の一部を、ドルで給料を受け取っている党員の擁護に使った。

同氏はこう言った。「そもそも軍の隊員は給料をもらっていない。施設内で働く人の多くはレバノンポンドで給料を受け取っている。ドルで給料をもらっているのは、給料が少なすぎて生計を立てられない人たちだ。彼らには月に一度、率先して周りの人たちを助けるよう頼んだ」

この演説によって怒りが広がり、マロン派大主教ベカラ・ブートロス・ライ枢機卿の情報源は、レバノンの中立化の要求に対する「裏切り」を非難した。

カターイブ党の党首、サミー・ジェマイエル氏はこう尋ねた。「それが政権樹立前に行われた演説だとしたら、彼らはどんな政府を作るのだろうか」

これは国内問題であると同時に、国際問題でもあるため、各国がレバノンに対して責任を担うよう同氏は求めた。

ジェマイエル氏もナスララ師に向けて、「レバノン国民は内戦を望んでいない。あなたは戦争をしようとしているのかもしれないが、我々を戦争で脅すな」と述べた。

一方、19日に開かれた、中銀総裁と、大統領の財政顧問であるCharbel Cordahi氏との会談の後、大統領メディア室は次のような発表をした。「サラメ総裁は、全ての操作を記録し、実質市場価格の主な参考資料にするため、中銀が電子プラットフォームの整備に着手すると発表した」

中銀の決定には「銀行が来週から通貨の取り引きをできるようにすることと、取引を実質価格でプラットフォームに登録すること」が含まれている。

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