
Najia Houssari
ベイルート:西暦を用いるキリスト教宗派にとってのイースターの到来と共に、レバノンでは土曜日、新たに全面的なロックダウンと外出禁止令が実施された。
2年にわたりコロナウイルス感染症(COVID-19)がまん延しているため、休日の雰囲気はない。
その上、ウイルス対策で水を差されてわずかに残っていた祝日を祝う気持ちも、経済危機の影響で薄れてきている。
ロックダウンは火曜日の朝まで続く。
土曜日の朝、道路は閑散とし、商店は閉店していた。一方、スーパーマーケットは店内に入れる客の数を制限する電子プラットフォームを導入した。
飲食店では、テイクアウトやデリバリーのサービスのみを提供するようになった。
国内治安部隊は車両や徒歩によるパトロールを行った。また、検問所を設置して違反行為を取り締まり、マスク着用の必要性を強調した。
今回の内務省の決定で、教会での礼拝は最大収容人数の30%を超えないことに加え、社会的距離を確保することを条件に認められた。参拝者が教会に移動する際には、事前に許可を得る必要がある。
レバノンにおける新型コロナウイルスの感染者数は50万人に迫っており、死者数は6,200人を超えている。
政治家では、レバノン軍団のサミール・ジャアジャア党首とガッサン・ハスバニ元大臣が最近コロナウイルスに感染した。
ラフィク・ハリリ大学病院の院長であるフィラス・アル・アブヤド博士は、家族の集まりによってイースターやラマダンの時期に感染者数が増加するのではないかと懸念を示した。
ワクチンを1回接種した人は149,687人、2回接種した人は81,680人に達している。
ベイルートで飲食店を経営しているトニー・ベジャニさんは、「今年のイースターは例年に比べて小規模で、断食しかしていません」と話した。
ベジャニさんは次のように続けた。「今年はイースターの気配がありません。私の知り合いは誰も買い物に行っていません」
「新型コロナウイルスに感染することを恐れて、人々はお互いに連絡を取り合わず、ミサにも行きません」
さらにベジャニさんは、「人々は経済的にも精神的にも疲弊しています。年が明けて2か月と22日間はロックダウンのために仕事が止まりました。そして、祝日は損失を取り戻すのに最適な時期なのに、今日もまた休業しなければなりませんでした」と付け加えた。
「人々は恐れており、誰も幸せではありません。人々は帰ることのない旅に出る機会を待っています」
金融危機以前に比較的妥当な給料をもらっていた銀行員は、「この祝日には喜びがありません。人々は会うことを禁じられ、祈るために教会に行っても、同じ長いすには2人しか座ることができません」と話した。
彼女は、「レバノン・ポンドの下落により、給料ではかろうじて1週間しか生活できないので、何か月も前から自宅でお菓子を作ってSNSで売ることに頼っていました」と続けた。
彼女は皮肉を込めて、「今年のイースターでは、普通の卵の価格が2倍になったため、人々は卵を買って色をつけませんでした。そして、チョコレートの卵も買わなくなりました」と話した。
レバノンでは、160日以上にわたって政府の樹立を妨げている紛争を解決するための仲裁に何の進展もなく、政治レベルでの閉塞状態に陥っている。
このことは、マロン派のベチャラ・アル・ライ総主教がレバノン国民に伝えたイースターのメッセージの中心だった。
総主教は、「支配者グループとそれを取り巻く人々」を改めて批判し、「彼らは国家の全体性・国民・国土・尊厳の運命を思うままに操っている」と述べた。
総主教はさらに、政治家たちへの厳しいメッセージとして次のように付け加えた。「レバノンのシステム・アイデンティティ・形態・伝統など、レバノン全体を変えようとする計画に我々が直面していることが明らかになった。憲法・金融・銀行・軍事・司法の各機関を破壊する方法論を採用する政党がある」
「また、問題を起こして解決や和解を妨げるという方法論をとる政党もある。国の命は割当てで成り立っているわけではないということを皆に認識してもらいたい」
アル・ライ総主教がメッセージを締めくくるとすぐに、ミシェル・アウン大統領は「汚職との戦いは、汚職を行う者を名指しで指摘することで行われる。非難を一般化することは、本当に汚職を行う者を匿名化し、世論を完全にミスリードすることになる」とツイートした。
アウン大統領のコメントは、特にそのタイミングに関して政界で多くの疑問を引き起こした。
後に、アウン大統領はイースターの前夜にアル・ライ総主教との会談に向かっていたことが発表された。