
エルサレム: キリスト教正教徒たちが土曜、エルサレムの聖墳墓教会に押し寄せ、「聖火の奇跡」儀式を祝った。コロナウィルスによる制限が緩和されたため、昨年よりも遥かに多くの群衆が集まった。
イエスの復活を象徴する儀式「聖火の奇跡」は、正教会イースターシーズンで最も色彩豊かな光景の1つであり、通常は多くの巡礼者が参加する。
キリスト教徒、ユダヤ教徒、イスラム教徒にとって神聖な宗教上の場所があるこの聖地では、悲劇的な事件が今シーズンの宗教的祝日に影を落としていた。
イスラエルは、同国北部で行われた宗教上の祭りで亡くなった45人のユダヤ教巡礼者の死を悼んでいる。彼らは、木曜から金曜にかけての夜間に殺到した群衆の中で死亡した。
エルサレムがロックダウン下にあった昨年の「聖火の奇跡」儀式は、ほぼ誰もいない同教会で行われた。この教会は、イエスのはりつけ、埋葬、および復活の場所として、キリスト教徒により崇拝されている。
「昨年は悲しい年だった」と、この教会に集まった400人の巡礼者の1人、ヤッファから来たロザリン・マニーは述べた。
「今年はまだましだが、他の年と同じではない。世界中の巡礼者がこの国を訪れていないからだ。現在、この国で暮らしているのは私たちだけ。だが、間違いなく昨年よりも良い」
イスラエルの迅速なワクチン接種の推進が、過去数ヶ月においてパンデミックを大幅に食い止めたため、集会の制限を大幅に緩和することが可能になった。当局は今後数ヶ月のうちに国際観光旅行の再開を計画している。
「聖火の奇跡」儀式は通常、聖墳墓にあるこの印象的な灰色の建造物に数万人の巡礼者たちを引き寄せる。この場所には、2,000年前にイエスが埋葬された墓があると信じられている。
巡礼者たちは、教会のドームの天窓を突き抜ける太陽の光が地下の奥深くで炎を発火させると信じている。これは、正教会イースターの土曜日前に毎年行われる、聖土曜日の奇跡と考えられている神秘的な行事である。
この時、エルサレムのギリシャ正教会総主教が聖火でろうそくに火を付け、その火を信者たちに分配する。
ロイター