
ハゼム・バロウシャ
ガザシティー:イスラエルのガザ地区への爆撃により、パレスチナ人の死亡者数が劇的に上昇する中、国連中東和平プロセス特別調整官が5月12日、「即時停戦」しなければ、「全面戦争」になると警告した。
ハマスがイスラエル領の奥深くに撃ち込んだ数百発のロケット弾の報復として、イスラエルがハマスの目標物とガザ地区の部隊に猛攻撃を加え、ガザ地区では一日中けたたましい爆発音が鳴り響き続いた。
パレスチナ保健省は、現在のところ、子ども14人、女性5人、高齢男性1人を含めて、少なくとも56人が死亡し、335人以上が負傷したと述べた。
国連のトル・ウェネスランド中東和平プロセス特別調整官は声明の中で、次のように述べた。「即時停戦せよ。全面戦争に向けて緊張が高まりつつある。双方の指導者たちは責任を持って、緊張の段階的緩和に努めなければならない」
「ガザ地区におけるこの紛争のコストは破滅的であり、一般市民が負担を強いられている。落ち着きを取り戻すために、国連はあらゆる関係当事者と連携している。今すぐ暴挙を中止せよ」
パレスチナとイスラエルの報道は、双方が落ち着きを取り戻し、停戦合意に戻るように、エジプト、国連、その他多数の国々による取り組みが行われている途中だと伝えていた。
この流血惨事は、イスラム教徒もユダヤ教徒も神聖としているエルサレムのアル・アクサモスク複合施設での週末の暴動が引き金となった。
軍事的交戦はここ数日来激しくなっており、暴挙を止めるように求める国際的な請願書が出されるまでになっている。
5月12日、イスラエルはハマス政権の多数のビル、住宅、自家用車、農地を標的にし、さらにパレスチナのイスラム聖戦運動が所有する軍事訓練施設も攻撃した。
ガザシティーの2つの超高層住宅の破壊に続いて、双方の爆撃はさらに激しさを増し、ハマスの軍事組織、アル・カッサム旅団が、テルアビブとベエルシェバへのロケット弾の集中砲火で報復した。ガザのアル・カッサム旅団のべーセム・イッサ司令官が、こうした攻撃の間に、他の者たちと共に死亡したと報じられていた。
イスラム聖戦は、同聖戦のミサイル部隊に所属するたくさんの指導者たちが死亡し、中でも最も注目すべきは、ムハンマド・アブ・アル・アタ氏が、ガザシティーの中心地にあるアパートが攻撃を受けた時に死亡していたと発表していた。
アル・カッサム旅団とアルクズ旅団が、ガザからかなり離れた都市、テルアビブとベエルシェバへロケット弾数百発を発射していた。
3人の子どもを持つ38歳のシェリン・アワドさんは、アラブニュースに次のように語った。「恐怖や不安がなくなることはありません。超高層住宅が攻撃された後、私は自分のアパートが高層階にあったので、自宅を出ました。子どもたちと一緒に友人の家に移りましたが、昨夜、私が避難していた地区の近くの住宅が爆撃されました」
「これは日常の生活ではありません。私たちはこんなことに決して耐えられません。爆撃は止まらないし、恐ろしい音は休みなしです。私の子どもたちは不安で、ショックを受けた状態にあります。私たちの日常生活は、イードの祝宴を計画していた時から180度変わりました」
12日にガザシティーの通りには、数人の歩行者と車以外ほとんど人が見当たらず、大抵の店舗が閉ったままだったが、数軒の食料雑貨品店だけは営業していた。
ナスル通りの食料雑貨品店の店主、アハメド・アル・カルーさんが、ラマダン最後の日でも、人々はまだ食品を必要としており、「不安だからといって、人々が食品を購入しなくなるわけではない」とアラブニュースに語った。
「たとえ人が死んだとしても、その人の家族は食べることを望むのです。ガザ地区が緊張の高まりに直面したのは、これが初めてではありませんが、今回は2014年のガザ侵攻以来、最も深刻です」と、アル・カルーさんは語った。
この紛争の双方がさらなる爆撃を実行すると脅しているにもかかわらず、ガザのパレスチナ人たちは、この流血惨事と破壊行為の最終段階がすぐに終わることを待ち望んでいる。
「私たちはこれが終わることを望んでいます。これが終わることは間違いないでしょうが、いつなのかは誰も知りません。願わくは、すぐだといいのですが」と、アワドさんは語った。