
イランの強硬派司法長官エブラヒム・ライシ氏が土曜、来月の大統領選挙への出馬を宣言した。同国の聖職支配者層の正当性に対するテストになると見られている。
ライシ氏は声明で、「私は独立した存在として、国の行政管理に変化を起こし、貧困、腐敗、屈辱、差別と闘うための舞台に来た」と述べたと、地元メディアが伝えた。
イランのシーア派イスラム教徒権力層の中堅聖職者であるライシ氏(60才)は、まだ6月18日の選挙に出馬するための正式な登録を行っていない。
2019年3月に最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ氏により司法長官に任命されたライシ氏は、イランで最も力を持つ人物の1人であり、ハメネイ氏の後継者候補として浮上している。
同氏は2017年の大統領選挙でハッサン・ロウハニ氏に敗れた。
先日、元議会議長のアリ・ラリジャニ氏も候補者登録をしている。同氏は穏健派と強硬派の両方からの支援を確保し、両者の間の溝を埋めることを期待している。
元核交渉担当者で最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ氏の顧問ラリジャニ氏の候補者登録は、国営テレビで生中継された。
土曜は、候補者が選挙に立候補するための登録最終日である。
投票は、制裁によって損なわれた経済をめぐり、大衆の不満が高まっている中で行われる。この制裁は、3年前にイランと主要な大国との間の核合意からワシントンが離脱した後で再び課されたものだ。大衆の不満が、高い投票率を期待する同国の聖職支配者層の希望を低下させる可能性がある。
登録終了後、出馬登録者たちは審査機関である監視者評議会の12人のメンバーにより、政治的およびイスラム教的資格が審査される。この強硬派機関のメンバーのうち6人はハメネイ氏により任命されている。
ロウハニ大統領は、任期制限のため再出馬することができない。
ロイター