
ハーグ―国際メディアが入居していたガザのビルがイスラエルによる空爆で破壊されたのを受け、このビルの所有者は国際刑事裁判所に対し告訴状を提出する手続きに入っている。ビル所有者の弁護人が明かした。
ジャワド・メフディ氏が準備する告訴状によると、米国の通信社であるAPとアルジャジーラ・テレビの事務所があったジャラタワーを破壊した5月15日の攻撃は、“戦争犯罪”だったとしている。
この告訴状は、ICCの主任検察官が先週、最近のイスラエルとパレスチナの間の暴力行為の中で“犯罪行為”が行われた可能性があると述べたのを受け、AFP通信が確認したもの。
「このビルのパレスチナ人所有者は、弁護人に対し、戦争犯罪に関する告訴手続きを国際刑事裁判所に行うよう依頼した」。ジル・デバー弁護士は声明でこのように述べた。
約10人のパレスチナ支援者が抗議のために同裁判所周辺に集まる中、デバー氏は裁判所の外で行われたAFPの取材に対し、イスラエルが当該の攻撃について「軍事目的ではなかった」と表明する可能性があると述べた。
「我々は、内部に軍用機器が置かれていたか、または武装抵抗組織が存在していたことを理由に、このタワーが破壊された可能性があるという噂を数多く耳にしている」。デバー氏はこのように述べた。
「国際法では、民間人の所有物が軍事目的で使用されている場合にのみ、その所有物に対して損害を与えることができる。今回はこのケースには該当しない。よって、我々はきょう、国際刑事裁判所の前でそのことを訴え、告訴状にもその旨記載している」。デバー氏は、告訴状は21日遅くまでに、電子メールを通して正式に同裁判所に送達されると述べた。
イスラエルは、そのビルにはハマスの軍事情報部隊がいたと主張した。
メヒディ氏はこの当時、イスラエルの情報部隊高官が彼に対し、ビルから人を確実に退避させるまで1時間の猶予を与え、その後ミサイルで13階建てのジャラタワーを攻撃すると警告したと述べた。
ICCは、検察官に提出された告訴状を検討する義務を負っておらず、検察官が単独で同裁判所判事にどの事件を起訴するかを決定できる。
ICCは既に3月、パレスチナにおける2014年以降のイスラエル軍とパレスチナ武装グループの双方による戦争犯罪の可能性について調査を開始している。
今回の告訴の動きは、同裁判所に加盟していないイスラエルを激怒させている。一方のパレスチナは、2015年にICCに加盟した。
ベンソーダ検察官は先週、彼女がヨルダン川西岸地区およびガザ地区における「暴力行為の深刻化」、そして「(ICCを創設した)国際刑事裁判所ローマ規程に基づく犯罪が行われる可能性」について、「強い懸念をもって」注視していると述べた。
AFP