
アンカラ:トルコのタイイップ・エルドアン大統領はイラクに対し、難民キャンプがクルド人過激派の避難場所になっているとして、今後「一掃する」と述べた。長期にわたって続いている軍事作戦をイラク領土の内部にも広げると警告している。
昨年、トルコ軍はイラク北部を拠点とする違法のクルディスタン労働者党(PKK)の基地への攻撃を強め、イラク国内の最大30キロ(約20マイル)の領土を中心に、襲撃、侵入を進めていた。
その上でタイイップ・エルドアン大統領はマフモールが過激派の「培養器」になっているとして、対処の必要があると述べた。マフモールはトルコとの国境の南側180キロの地域にあるキャンプで、20年以上にわたってトルコからの難民を何千人も受け入れてきた。
エルドアン大統領は「国連が対処しないのであれば、一国連加盟国として一掃する」と述べ、政府はマフモールがはるか北側のカンディル山脈のPKKの拠点として大きな脅威になると考えていると説明した。
火曜日午後、大統領はトルコ国営放送TRTのインタビューに答え、「いつまで黙って見ていなくてはならないのか」と述べた。
イラクの当局者はロイターに対し、トルコは先週、「PKKがマフモールのキャンプを拠点にして行った、対トルコテロ活動」についてバグダッドに苦言を呈したと語った。
当局者によると、治安部隊の指揮官と地域の管理者はトルコの申し立てを調査した際、PKKの戦闘員がマフモールのキャンプを管理し、政府軍への接触を禁じていると政府に語ったという。
イラク政府報道官は、現時点ではコメントの要請に応じていない。
このキャンプは1990年代にトルコから何千人ものクルド人が越境した時期に設立された。トルコ政府は、その当時の動きもPKKが意図的に誘発したものだと述べている。
PKKは、米国と欧州連合がテロリスト集団として認定している組織だ。1984年以来、主にトルコ南東部のクルド人居住地域に対して反政府運動を起こしてきた。紛争の中で4万人以上が殺害されている。
マフモールは1年前にトルコの空爆の標的になった。その時点では死傷者の報告はなかったが、現在は攻撃が政府の最優先事項になっている、とトルコの当局者は述べた。
「マフモールのキャンプはトルコやトルコ軍に攻撃をしかけるための兵站の拠点として利用されている」と当局者は述べた。「時が来た。PKKを一掃しなければならない」。
ロイター