
ジェッダ:イランは、核分裂性ウランの濃縮を抑制しない場合、「数週間のうちに」核兵器を製造できかねる状況である。米国が7日に警告した。
そして国連の核監視機関の責任者は、イランと世界の列強が2015年の共同包括的行動計画(JCPOA)を復活させようとしている中、イラン核施設の査察に関する暫定合意を延長することが「ますます困難になっている」と述べた。
JCPOAは、国際制裁の緩和と引き換えにイランの核計画を制限したが、米国が離脱した2018年以降、暗礁に乗り上げたままだ。ドナルド・トランプ大統領は制裁を再開し、イランは核合意で定められたウラン濃縮制限に従うことを拒否し始めた。
アントニー・ブリンケン米国務長官は7日、「核合意再建に向けて必要なことを行う意思と用意がイランにあるのかは依然として不明だ」と述べた。「一方で、イランの核開発計画は急速に進んでおり、長期間にわたればそれだけブレークアウトタイムが短期化していく。公的な報告書によれば、現時点で、良くても数カ月となっており、このまま行けば数週間になるだろう」
米国とイランは、双方がJCPOAの遵守を再開できるかどうかを確認するため、4月にウィーンで間接協議を開始した。
5回目の協議は6月2日に終了した。外交官らによると、10日から6回目が開始される可能性がある。 そうなると、6月18日のイラン大統領選の前に核合意を復活させるのに8日しか残されていないことになるだろう。大統領選では強硬派の指導者が新たに誕生すると予想されている。
米国と同盟関係にある湾岸諸国は、協議ではイランの核計画しか議論されておらず、イランの弾道ミサイル開発や、イラクやイエメンなどでの代理の民兵を使った、地域での干渉に対処できていないことを懸念している。
イランは2月に、国際原子力機関(IAEA)による核施設の査察の一部を停止した。IAEAは3カ月の暫定協定を結び、アクセスのレベルを下げて査察を継続できるようにした。5月下旬に協定は6月24日まで延長されたが、時間は今、「非常に少なく」なった、とIAEAのラファエル・グロッシ事務局長は7日に語った。
「時間が少なくなっているのが分かる」と同氏は述べた。「我々の……査察の可能範囲がこれ以上減らされないことを願っている。我々は、査察官の可能範囲を制限し削減し続けることはできないし、同時に信頼があるように装うこともできない」
「この問題では、他国と行う全てのことが相互につながっている。信頼を得るには、情報や説明、査察、完全な透明性が必要だと私は思う」
「非常に発展した野心的な核計画があり、非常に高い濃縮度で濃縮を行っている国がある……兵器級に非常に近い濃縮度だ」
ロイター