
モハメッド・アブ・サイド
カイロ:エジプトは国連安全保障理事会に書簡を送り、GERDをめぐる紛争の状況について伝えた。エジプトとスーダンはダム問題に関する決議案を作成し、来週、アラブ諸国の外相らに提示することにしている。
エチオピアは2011年にダム建設に着手した。エジプトはGERDによりナイル川から自国への水供給が脅威にさらされることを危惧し、スーダンはダムの安全性と自国への放水量への影響を懸念している。
エジプトのサーメハ・シュクリ外相は国連安保理への書簡の中で、エチオピアが次の増水期にもダムの貯水を行う意向であることに対し、エジプトの反対を伝えている。さらに、エチオピアが一方的な行動で、下流諸国に対しダム問題の既成事実化を図ろうとしていることを受け入れることはないと表明している。
エジプト外務省のアフメド・ハフェズ報道官は、今回の書簡の目的は、この問題に関し公正でバランスの取れた拘束力のある合意に達するための取り組みを過去数か月に渡り停滞させてきた、エチオピアの非妥協的な姿勢について明らかにするためだとしている。
また、ハフェズ報道官はエジプトの建設的で責任ある姿勢を示すためだけでなく、国際社会がこの問題に関する資料として参照できるように総合的なファイルを国連安保理に託したことも明らかにした。
アラブ連盟のホッサム・ザキ副事務総長は、アラブ諸国はナイル川に対するエジプトとスーダンの権利を支持することで意見の一致をみており、異論は出ていないと述べた。
ザキ氏はルネサンスダム問題に関して、アラブ諸国とアフリカ諸国の間に楔を打ち込もうとするエチオピアの試みは成功しないだろうとの見方を示した。
そのうえで、エジプトとスーダンの要請により、15日にアラブ連盟の外相級特別会合がドーハで開催され、ダム問題について協議されることを明らかにした。
ザキ氏はこの会合は、ドーハで開催されるアラブ諸国の外相会議に合わせて行われると述べた。
エジプトとスーダンは関係する3か国の権利と利益を保証する拘束力のある包括的な協定の締結を求めている。