
ナジア・フッサリ
ベイルート:レバノン当局は、悪化するエネルギー危機と通貨危機の中、同国がイランからの石油輸入を計画しているとする指摘を否定した。
レバノンのエネルギー省は26日、「当局からも、民間からも、イランから石油を輸入するための許可」の依頼を受けていないと発表した。
このレバノン当局の反応は、在ベイルートのイラン大使館が「イランの石油タンカーの到着に、米国大使が注目する必要はない」とツイートしたことを受けてのものだ。
同大使館は米国大使に対し、「イラン国民とレバノン国民の友好関係に」介入しないよう警告した。
このツイートには、海上に浮かぶ石油タンカーの1枚の写真が添付された。
このツイートは、レバノンがイランから石油輸入を検討するようヒズボラが提案したことを受けて、イランのタンカーが間もなくベイルート港に到着するのではないかという憶測を呼んだ。
金曜日、アメリカのドロシー・シェイ駐レバノン大使は、地元テレビ局に対し、イランからの重油輸入は、「現実的な解決策ではない」と述べた。
大使は次のように付け加えた:「イランが求めているのは、自国の課題の遂行に利用できる、ある種の従属国家です。イランに頼るよりもはるかに良い解決策があります」。
大使はこう付け加えた:「アメリカは常にレバノンの人々の側に立ってきましたが、イランはレバノンを、自国の課題の遂行に役立つ可能性がある国家として見ています」。
ヒズボラのハッサン・ナスララ党首は、同党が「イラン政府から石油を購入し、その代金をレバノン・ポンドで支払う計画を実行するために水面下で取り組んでいる」と述べた。
同氏はレバノン北部と南部に2つの製油所の建設を提案した。
このヒズボラの提案には幅広い怒りの声が上がり、元議員のアフマド・ファトファト氏は「イランはレバノンを後で使える切り札として手元に置いておきたいのだ」と主張した。
同氏は、レバノンの経済破綻により、ヒズボラは「あらゆる分野を手中に収める」ことができるようになり、一方これと同盟を組む自由愛国運動(FPM)は、「権力を手に入れる見返りに、同党に全ての切り札を渡した」のだと語った。
政治アナリストのアッサード・ベカラ氏はアラブニュースに対し、ナスララ氏がイランからの石油輸入を強く主張していることは「世界の他の国々が何もしていない中で、イランがレバノンを助けているのだとほのめかすことを目的とした、ポピュリスト的なやり方だ」と述べた。
しかし同氏は、レバノンの民間企業が、イラン産石油を輸入することによって制裁を受けるリスクを負おうとするのか、疑問を呈した。
「テヘランのガソリンスタンドの行列は、レバノンの行列よりも長い」と、同氏は付け加えた。
レバノンに対するイランの影響力を強化しようとする試みは、深刻化する財政破綻の中で展開されている。26日の深夜には為替レートが1ドル1万8000レバノンポンドに達した。
一方で、ヒズボラと同盟を組むFPMとアマル運動の間では、政府樹立を巡る争いが続いた。
為替レートがさらに急落すると、「自国民を殺す寝たきり国家」に抗議するデモ隊が行進を行った。
あらゆる地域で道路が封鎖され、人気の市場の店は閉鎖され、店主らはもはや商品の値段の付け方がわからないと口にした。その後、レバノン軍が封鎖された道路の一部を再開させた。