
ハゼム・バルーシャ
ガザ市:5月21日にハマスとイスラエルが停戦し、11日間の戦争が終わった後、ガザを支配するハマスとパレスチナ自治政府の間で、新たな闘いが激化している。包囲された飛び領土であるガザの復興に対する責任をめぐって口論になっている。
ハマスは、ラマッラーのパレスチナ自治政府が設立した委員会を拒絶している。同委員会はガザの所轄官庁との協議や調整を行わなかった、とハマスは主張している。
ハマスは、2007年半ばに武力でガザを制圧して以来、ガザを支配してきた。ハマスは、復興プロセスのための資金や援助を監督する独立した専門の国家委員会の設置を求めたが、パレスチナ自治政府は拒絶している。
ハマスのガザ公共事業・住宅省の次官であるナジ・サルハン氏は、パレスチナ自治政府は国家的な連携がないまま復興問題に取り組んでいると述べた。
パレスチナ自治政府のイブラヒム・メルヘム報道官によると、2014年の戦争の後、政府、ハマス、その他のパレスチナの派閥、それぞれの代表者で構成される委員会が設立され、復興を監督することになったという。
「政府はパレスチナのどの政党や派閥とも競っておらず、誰かを排除しようとは考えておらず、むしろあらゆる事態に対処するために是非とも団結したいと思っている」とメルヘム氏は話した。
パレスチナのムハンマド・シュタイエ首相は、ガザの復興について話し合うため、アラブ諸国を含む数カ国を訪問している。メルヘム氏によると、「アラブ諸国の間では、復興資金の主な送り先はパレスチナ自治政府であるということで意見が一致」しているという。
しかしサルハン氏は、パレスチナ自治政府がガザに対して横柄に対応していると非難した。
「シュタイエ氏は、ガザを訪れず、ニーズを確かめず、相互理解を深めるために我々と話をすることもなく外遊したが、パレスチナ自治政府は復興の監督や資金の管理をどうするのか」と同氏は話した。
ハマスの国家関係局のメンバーであるバセム・ナイム氏は、ハマスが設立を支持する国家機関とは、全ての人を代表し、国内の専門家がメンバーに入っていて、資金と復興プロセスを監督するものだと述べた。
同氏は、パレスチナ自治政府による監督は「作業の妨げになる」だろうと考えている。2014年の戦争は「苦い」経験であり、ハマスは、遅さと透明性のなさを特徴とする以前のメカニズムに戻ることを受け入れないだろう、と同氏は述べた。
パレスチナ自治政府とハマスは、国連の復興メカニズムへの回帰を拒絶するという点で意見が一致している。そのメカニズムは2014年の戦争後に運用開始されたもので、建設資材の量と質の監督および制限はイスラエルの自由裁量に任せられる。
シュタイエ氏は、このメカニズムは「無益で使い物にならない」と述べた。そして「原子炉の監視には適しているが、ガザの復興の監視には適していない」と述べた。
メルヘム氏は、政府は復興に最適なメカニズムについて議論する準備ができていると述べた。
サルハン氏によると、このメカニズムのせいで、2014年の戦争以降、住宅1700戸が再建されておらず、イスラエルは気まぐれに対応したという。
2014年の戦争後にカイロで開催された会議では、援助供与国が50億ドル以上の拠出を約束した。そのうちの約半分が復興プロセスに割り当てられ、残りの半分はパレスチナ自治政府の予算の支援に割り当てられた。
サルハン氏によると、それらの資金からガザに届けられたものは、8億ドルに満たなかったという。
ハマスはイスラエルを、復興を捕虜交換協定の問題に結びつけようとして、先送りや脅迫を試みていると非難している。
ハマスのガザ地区の指導者ヤヒヤ・シンワール氏と国連特使トル・ウェネスランド氏が先週月曜日に会談した後、シンワール氏が「会談は非常に悪いものだった」と述べたため、ハマスとイスラエルの脅威は互いに増大した。
ウェネスランド氏は、包囲や、イスラエルによる国境検問所や復興の規制に関連するガザの人道的問題への対処において、イスラエルのビジョンを採用している。ハマスはそう非難した。
パレスチナの派閥の情報筋によると、ウェネスランド氏の任務が失敗に終わったことで、調停役を務めるエジプトは、イスラエルの新政府と一緒に問題を解決する機会を得たという。
ハマスは、ガザに15年間課せられた、封鎖に関連する人道的問題や復興を、他のテーマと結びつけることを断固として拒否している。その中でも最も重要なのが「捕虜交換協定」だ。
ハマスは、自分たちが拘束しているイスラエル人4人と引き換えに、イスラエルの刑務所からパレスチナ人を釈放するよう要求している。2014年の戦争で殺された、とイスラエルが主張している兵士2人の遺体もその中に含まれている。
ハマスは、彼らの行方に加え、以前、不明瞭な状況でガザに入った2人の行方を公表することを拒否している。
ナイム氏は「ハマスは、資金や援助が、それを必要とする人々に確実に届くような新しいメカニズムの開発に前向きだ」と述べた。
同氏は「封鎖は時限爆弾だ」と警告した。カウントダウンは始まっている。いつ爆発してもおかしくない。