
ナジャ・フーサリ
ベイルート:月曜、レバノンの通貨危機が悪化する中、医師と薬剤師が医薬品不足に対して抗議の声を上げた。
危機が相次いで高まる中、週末にかけて燃料と医薬品の不足が続いた。
こうした物資は、食料供給も同様だが輸入されている。
食品価格は急上昇している。ヒマワリ油の価格は2019年夏以降、1,100%を超える急騰となっている。同期間で牛肉と米の価格はそれぞれ627%と545%上昇した。
卵の価格は450%の急騰。同時にラブネ(水切りヨーグルト)の価格は275%もの上昇となっている。
レバノンのテレビやソーシャルメディアで、通りに出て叫んでいる人々の画像が流れた。ミルクや医薬品、そして電力を求めているのだ。家にいる酸素器具が必要な重い病気の子供を救うためである。
薬剤師のサマー・スーブラ氏はアラブニュースに次のように語った。「点耳薬のような普通の薬を求めて人々が薬局へ来るのですが、在庫がないのです」
スーブラ氏は「私が思うに、輸入業者は医薬品の在庫の山を抱えているはずです。しかしレバノン中央銀行に圧力をかけて医薬品に対する助成金を継続させるため、流通を抑えているのです」と付け加えた。
「医薬品に対する助成金を停止するという政治的決定はまだありません。大混乱です」
「10日以内に人々の叫び声が上がるでしょう。治療ができなければ病人の症状が悪化するからです」
消化器専門医のイスマイル・スカリエ氏がアラブニュースに語った。「私の同僚の心臓専門医は、抗凝血剤がなかったため患者の動脈にスプリングを入れることができませんでした。そして患者を、人々の健康を材料に取引をしている連中のなすがままにしておくことになってしまいました」
スカリエ医師は次のことを指摘した。「最も不足しているのは動脈性高血圧や血栓に関連する医薬品です。理由は分かりません」
スカリエ医師は問いかける。「医薬品の在庫がないと言う輸入業者をどうして信用できるのでしょうか? 輸入業者が言っていることは、レバノン中央銀行に対する脅迫作戦なのです」
スカリエ医師は次のように考える。「医薬品危機に携わっている人間は、患者への損害や死に対して責任があります」
医薬品輸入企業連合は「慢性的および生涯に渡って治療の継続が必要な病気のための必須医薬品の多くが」在庫切れになると警告していた。
そして「できる限り早急に再輸入しなければ、その他の医薬品の多くも7月中に在庫切れになる可能性が高い」と提言した。
同連合は「輸出企業に6億ドルを超える債務が累積し、輸入企業がレバノン中央銀行から再輸入の事前承認を得られなかったため、輸入手続きが1ヶ月以上に渡ってほぼ完全に停止している」と伝えた。