
パレスチナ自治区、トゥルムスアヤ:イスラエル軍は8日、米国籍を持つパレスチナ人女性の自宅を取り壊したと発表した。女性の別居中の夫が、ヨルダン川西岸地区の占領地でユダヤ人学生を射殺した罪で告訴されている。
「昨夜、、、イスラエル軍部隊がラマッラー北東部のトゥルムスアヤ村にあるテロリスト、[モンタセル]シャラビーの住居を取り壊した」と、軍の広報担当官が語った。
家の取り壊しは、このイスラエル政策に対する米国の反対を押し切って執行された。
シャラビー容疑者(44)は、ヨルダン川西岸地区北部ナブルスの南にあるタプア連絡駅でバスを待つ乗客に発砲した容疑で5月、イスラエル軍に逮捕された。この発砲により、イタマール入植地のユダヤ教神学校に通うイェフダ・ゲッタ氏(19)が死亡し、友人2人が負傷した。
妻のサナー・シャラビーさん(40)は、軍隊が午前1時に到着し、家の周りに爆発物を仕掛けたとAFP通信に語った。取り壊しは一晩中行われた。
「これが私たちの人生なのです。今日私たちにに起きたことは普通のことなのです。準備はできていました」とサナーさんが語った。
サナーさんは夫を「英雄」と呼んだ。
イスラエルの人権団体ハモケドの話では、モンタセル・シャラビー容疑者は取り壊しになった家に住んでいたわけではなく、ハモケドはイスラエルの最高裁判所で取り壊しに異議を唱えたが、敗訴した。
ハモケドのジェシカ・モンテル事務局長によると、シャラビー夫妻は別居中だった。サナーさんは取り壊しになった家で7人いる子供のうちの3人と一緒に住んでいた。シャラビー氏の家族は全員米国の市民権を持っている。
「襲撃の容疑者はこの家に住んでいたわけではないのです。容疑者は米国に住んでいて、ここへは年に1,2回来るだけなのです」とモンテル事務局長が語った。「サナーさんにはこの襲撃に何の係わりも知識もありませんでした。ですから私たちは、この家は取り壊しをするべきではなく、取り壊すとしても1部屋だけにするべきだとしました」
モンテル氏はまた、サナーさんの夫には精神疾患の病歴があると語った。
米国は、自宅の取り壊しという懲罰的措置に反対してきた。米国大使館は取り壊しの報告に「注目」していると、広報担当官が述べた。
「1人の人間の行動のために家族全員の家を取り壊すべきではない」と広報担当官が語った。
イスラエル軍の発表では、解体中に「約200人の暴徒が部隊に向かって石や火炎瓶を投げたが」、これに対し部隊は「暴動鎮圧策」で応じた。
AFP