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ゴジラ最新作の監督は、1954年オリジナルの「日本的精神性」を追求する

『ゴジラ-1.0』の1シーンに登場するゴジラ。(@2023 TOHO CO., LTD/AP)
『ゴジラ-1.0』の1シーンに登場するゴジラ。(@2023 TOHO CO., LTD/AP)
2023年11月1日水曜日、東京の映画スタジオある東宝の本社オフィスでAPの取材に応じる新作ゴジラ映画の山崎貴監督。(AP)
2023年11月1日水曜日、東京の映画スタジオある東宝の本社オフィスでAPの取材に応じる新作ゴジラ映画の山崎貴監督。(AP)
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05 Nov 2023 03:11:54 GMT9
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東京:核兵器の影響から生まれた、放射能をまき散らす悪夢のような怪獣ゴジラは、ハリウッドのリメイクを含め、多くの映画で破壊の限りを尽くしてきた。

今年後半に米国で劇場公開が予定されているゴジラ映画最新作の監督、山崎貴(やまざき たかし)は、彼が1954年のオリジナル版の特徴だと考える、日本の本質的な精神性を引き出すことにこだわった。

本家の作品では、本多猪四郎(ほんだ いしろう)監督のもと、男性がゴム製のスーツに身を包み、都市のミニチュアを踏みつけながら、太平洋での核実験の放射能によって予期せぬ生命を与えられた古代の生物の物語を語っていた。新作『ゴジラ-1.0』の怪獣はすべてCGで描かれている。

「私はオリジナルのゴジラが大好きです。戦争と核兵器の問題に向き合う、その精神に忠実であるべきだと考えました」と、脚本およびコンピュータによる特殊効果の監督も務めた山崎は語った。

「日本には『祟り神(たたりがみ)』という概念があります。祟り神には善神もいれば、悪神もいます。ゴジラは半分怪物ですが、半分は神でもあるのです」

ウクライナ戦争や新型コロナウイルス感染症によるパンデミックなど、世界は近年、不安の時代に突入している。山崎監督は、この時代の雰囲気は、本作における超自然的な「非常に日本的な」ゴジラと調和していると、『ゴジラ-1.0』がクロージング作品となる東京国際映画祭で語った。本作品は、11月3日に日本で劇場公開されている。

「それを静めなければならない」と彼はAPに語った。それを殺そうとするのではなく、祈りだけが怪獣を静めたり、止めたりすることができるのだと。

第二次世界大戦で日本が降伏した直後を舞台にした山崎監督の作品は、オリジナル作品よりも時代が遡っている。戦争によって荒廃し、ゴジラを撃退する兵器はおろか、何もなくなってしまった日本を描いている。

そして、ゴジラの登場によって、すべてがネガティブな方向、つまりマイナスに戻ってしまうのだ。

神木隆之介(かみき りゅうのすけ)が演じる主人公の軍人は、戦争を生き延び、家族を失った末に、ゴジラと対決することになる。

この怪獣の細部にわたる描写は、山崎を含む東京を拠点とする「白組」のデジタル特殊効果チームの仕事である。恐ろしいほどリアルに見えるゴジラは、悲鳴を上げて逃げ惑う群衆に突進し、巨大な尻尾はビル群を一瞬にして薙ぎ払い、でこぼこの皮膚は放射能の残り火のように輝き、うなり声は顔のすぐそばまで迫ってくるのだ。

一部のゴジラ愛好者は、ハリウッドが時折、日本で「ゴジラ」として知られている怪獣を、「核のメタファー」が鍵であるにもかかわらず、避けられない運命的な自然災害のように誤って描いていると感じている。

気さくでよく笑う山崎は、彼はハリウッド映画の特撮が大好きだと強調しながら、ギャレス・エドワーズ監督の2014年版ゴジラ映画の大ファンだと付け加えた。

それは、庵野秀明(あんの ひであき)と樋口真嗣(ひぐち しんじ)が監督した2016年の前作『シン・ゴジラ』にインスピレーションを与えたという。東宝スタジオは、2004年以来ゴジラ映画を製作していなかった。

名監督・伊丹十三(いたみ じゅうぞう)と組んできた山崎監督は、1950年代の日本を舞台にした心温まる家族ドラマ『ALWAYS 三丁目の夕日』や、日本の戦闘機パイロットを描いた『永遠の0』で日本のアカデミー賞に相当する賞を受賞している。

彼はまた別のゴジラ映画を作る準備ができている。しかし、彼が本当に作りたいのは『スター・ウォーズ』だという。

子供の頃、彼が映画製作に興味を持つきっかけとなったのは、スティーブン・スピルバーグ監督の『未知との遭遇』だった。彼はこの映画に夢中になり、母親が夕食を作っているときでさえ、何時間も映画の話をするのを止められなかったと彼は回想している。

ジョージ・ルーカスが創り出したフランチャイズであり、もうひとつのお気に入りSF映画である『スター・ウォーズ』は、多くのアジア的なテーマを想起させることから、自分こそが続編の監督に最適だと山崎は言う。

「私は、とても特別な、独自の『スター・ウォーズ』を作れる自信があります」と彼は語った。

AP

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