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『Behind the Kaiju Curtain』の著者ノーマン・イングランドさん

ノーマン・イングランドさんは、昨年サウジアラビアで開催された展覧会「アニメビレッジ」に招待された国際ゲストの1人だ。
ノーマン・イングランドさんは、昨年サウジアラビアで開催された展覧会「アニメビレッジ」に招待された国際ゲストの1人だ。
ノーマン・イングランドさんは、昨年サウジアラビアで開催された展覧会「アニメビレッジ」に招待された国際ゲストの1人だ。
ノーマン・イングランドさんは、昨年サウジアラビアで開催された展覧会「アニメビレッジ」に招待された国際ゲストの1人だ。
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03 Apr 2023 10:04:59 GMT9
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アミン・アッバス

ドバイ:ノーマン・イングランドさんはニューヨーク出身の映画脚本家、映画監督、シナリオライター、スチルカメラマンで、1992年以来日本に住んでいる。映画ジャンルの莫大な知識を活用して、1990年代のキャリアスタート時にはファン雑誌に寄稿し、その後に『ファンゴリア』に寄稿することになった。

『ファンゴリア』でイングランドさんは、日本のJホラー映画のムーブメントをほぼ20年間にわたって連載した。この時期に『ミレニアム』ゴジラシリーズ(1999〜2004)に携わり、セットへの前例のない出入りを許可されている。

『ファンゴリア』の他にも、イングランドさんは『スターログ』、『ジャパンタイムズ』、『Japanese Giants』、『Rue Morgue』といった英語雑誌に寄稿している。

日本にいるライターとして、イングランドさんの記事は『ホビージャパン』、『フィギュア王』、『S.M.H』などといった雑誌にも、人気の映画雑誌『映画秘宝』の長期連載月刊コラムにも掲載された。

イングランドさんは日本の映画ジャンルに関する様々な本も出版しており、日本の映画館で販売している映画パンフレットの記事も執筆したことがある。

映画セット撮影を専門とする熟練した写真家で、撮影した映画セットの写真は日本の出版物に幾度となく掲載されている。

イングランドさんは以下の複数の映画監督も務めている。2020年にSRSシネマから発売された『The iDol』、2008年にクラシック・メディアから発売された『Bringing Godzilla Down to Size』、2008年にドイツの緑インプルスから発売され、2022年にThe Satanic Temple TVでストリーミング配信されている『New Neighbor』だ。

イングランドさんは日本の映画とポップカルチャーの創造性をアラブニュース・ジャパンに語ってくれた。「私が初めて日本に魅力を感じたのは、日本の映画・マンガ・アニメが持つ膨大な想像力です。日本を訪れて以来、私は日本文化に興味をそそられ、お寺や温泉を訪れるようになりました。大好きな日本映画については、私は黒澤や小津の人間ドラマが好きなのですが、一番のお気に入りは中川信夫のホラー映画、本多猪四郎の怪獣映画、そして最近では金子修介のガメラ三部作です」

映画業界での最初のキャリアについてイングランドさんは以下のように語ってくれた。「アメリカのホラー映画雑誌『ファンゴリア』の記者としてキャリアをスタートさせました。1999年から2015年まで、ゴジラやJホラー映画のセットを取り上げました。2005年には最初の映画『The iDol』を監督し、その後はセットのスチル写真撮影といった、他の映画関連の仕事を始めました。今は日本映画の英語字幕作成を主にしています」

イングランドさんは初めての監督作品『The iDol』について、ストーリー、体験、撮影時の最も印象的だったことをアラブニュース・ジャパンに語ってくれた。「日本で映画撮影の仕事を数年間見続けてきて、自分でも映画を撮ろうと決めました。『The iDol』はその成果で、おもちゃのような宇宙人が地球に来て、人間の感情を食い物にして生きるという映画です。私は自分で資金を集め(クラウドファンディングがない時代です)、日本の映画業界の友人たちに助けを求めました。映画製作はやりがいがあり、その過程を楽しむこともでき、映画の出来もとても良かったと思います」

「『The iDol』の製作において、私は一緒に働いた方々に最も心躍らされました。例えば、後のゴジラ映画を監督する山崎貴には名場面に登場し、映画のCGIを作成していただきました。

『呪怨』シリーズで伽椰子を演じた藤貴子と一緒に仕事ができて最高の経験になりました。また、素晴らしいオリジナルサウンドトラックを大谷幸に作っていただきました。

『平成ガメラ』シリーズ、GMKゴジラ映画、新機動戦記ガンダムWなど、他にもたくさん作曲している方です」

イングランドさんは複数のゴジラ映画(ミレニアムゴジラシリーズなど)に携わっている。「子供の頃からのゴジラファンとして、ゴジラの映画撮影過程をこの目で見られて興奮しました。ミニチュアセットが建てられる様子、そして怪獣たちによって破壊される様子、それに耳をつんざく爆発音。

東宝スタジオでの体験は私の人生で有数の貴重な体験です。でも、最も記憶に残っている瞬間は、ゴジラスーツを着させてもらえた2001年で、私はゴジラ映画に携わっていました。

ゴジラスーツは重く、着たまま動き回るのは難しかったです。でも、その経験から、スーツアクターという仕事がどんなに難しいかを本当に理解できました」

イングランドさんは2008年に発表されたドキュメンタリー映画(Bringing Godzilla Down to Size)で、監督および協力プロデューサーを務めている。

アラブニュース・ジャパンだけに特別に、このドキュメンタリー映画のストーリー、体験、撮影時の最も印象的なことを教えてくれた。「『Bringing Godzilla Down to Size』は巨大な怪獣映画のミニチュア撮影についての映画なのですが、最も楽しかったことは、優秀なスタッフがサポートしてくれたことです。

特に、ゴジラの歴史を研究するエド・ゴジシェフスキーとスティーブ・ライフルです。製作時にはわくわくした瞬間が二つありました」

「1つ目は、昭和時代のゴジラ美術スタッフが引退を撤回したことで、1960年代のスタッフによる火山噴火を再現しました。もう1つは、ゴジラスーツアクターに最も繋がりが深い、中島春雄と薩摩剣八郎と喜多川務の3人を撮影したことです。1ショットで3人を同時に演出した初めての人になったと思います」

イングランドさんは、日本の映画産業の奥深くへ読者を連れていく、最初にして唯一の英語の本『Behind the Kaiju Curtain: A Journey onto Japan’s Biggest Film Sets』の著者として知られている。

同著の中で内容を以下のように語っている。「『Behind the Kaiju Curtain』は日本の映画セット、特にゴジラのセットの生涯について詳しく述べる日記風の本です。

この本の中では、記者としての最初のキャリアについて、そして映画セットの道へどう踏み込んでいったかについても紹介しています」

イングランドさんは昨年サウジアラビアで開催された展覧会「アニメビレッジ」に招待された国際ゲストの1人で、アラブニュース・ジャパンに以下のように話してくれた。

「私の妻で、漫画家の児嶋都と私は、2022年のアニメビレッジ最初のゲストでした。中東に来たのは初めてだったのですが、正直に申しますと、私の国と中東地域の歴史のせいで緊張していました。でもサウジで出会った方々は皆さん素晴らしく、素晴らしい時間を過ごせました。

アニメビレッジでは、日本のポップカルチャーへのたくさんの愛が見られて、驚いただけではなく幸せになりました。滞在中に最も印象に残ったのはサウジの方たちの一体感です。

ショーの裏側でちょっとした衝突があった時でさえ、穏やかな振る舞いをしていました。妻も私もまた中東を訪れることを楽しみにしています!」

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