

ナジャ・フーサリ
ベイルート:ベイルート港での爆発事故で昨年死亡した人々の親族数百人が、13日夜、モハメド・ファフミー暫定内務大臣公邸を襲撃しようと試み、建物のフェンス越しに棺を投げ入れた。
デモ隊は、8月4日の爆発事故の捜査で容疑者となっているアッバス・イブラヒム公安総局長官に認められている訴追免除特権解除を同大臣が拒否していることに抗議した。
犠牲者の家族は、この事件の司法調査官であるタレク・ビタル判事からこの悲劇に加担した罪に問われている元大臣、現職議員、治安当局幹部らの訴追免除特権を取り消すよう、当局に圧力をかけている。
遺族たちは、215人の命を奪い、6000人以上の負傷者を出し、ベイルートの海岸地区と近隣の住宅地の大部分を破壊したこの爆発事故から1周年となる記念日を迎える準備をしている。この事件の司法調査は現在も続いており、起訴状を出す段階にはまだ至っていない。
デモ隊は、子どもや親族を象徴する棺を抱えながら、内務省公安部隊が待機しているベイルートのファフミー大臣公邸に向かって行進した。
黒い服を着た女性たちは嘆き悲しみ、事件の容疑者の訴追免除特権のはく奪を求めて叫んだ。爆発事故で子どもを失った男性たちは、「特権をはく奪できなければ、ファフミー氏はテロリストとみなされるだろう」と警告した。「訴追特権を解除しないものには、災いあれ」と、彼らはシュプレヒコールを上げた。
抗議活動は、デモ隊が公邸襲撃を試み、フェンス越しに棺を投げ入れたため、治安部隊との衝突へとエスカレートした。
女性たちは辛うじて建物の入り口にたどり着いたが、そこで治安部隊と対峙することになった。デモ隊は、爆発に至った状況を作り出した責任者に向けて、侮辱的な言葉を浴びせた。この爆発は、2014年以降、適切な安全対策を講じずに港に保管されていた2750トンの硝酸アンモニウムが原因で発生したものだ。爆発は、歴史上最も強力な非核爆発の1つとしてランク付けされている。
建物に石やトマトも投げつけた犠牲者の家族は、ファフミー氏が容疑者の訴追免除特権を解除すれば、抗議活動を終了すると語った。彼らはまた、「自分たちを飢えさせた当局者らを守るな」と、治安部隊に呼び掛けた。
デモ隊の中には、治安部隊の隊員が持ち運んでいる盾に「50ドル」とスプレーで落書きする人もおり、次のように述べた:「この殺人犯たちのせいで、お前たちの給料の値打ちはこうなってしまったのだ。奴らを守るな、我々と共に立ち上がれ」。
対立は3時間以上続いた。デモ隊は最終的にビルの入り口のガラスを破壊し、機動隊が催涙ガス弾で応戦した。
爆発事故犠牲者の家族は、その行動が爆発の原因となったとして責任を問われている当局者らの自宅前で毎日抗議活動を行っており、彼らを出廷させて起訴内容に対する答弁をさせようとしている。ここ数日は、ノハド・エル・マクヌーク元大臣とガジ・ザイテル元大臣の自宅や、国会前で抗議活動を行っている。数多くのデモ隊や治安部隊の隊員が、これによって生じた衝突で負傷し、中には催涙ガスを浴びた結果、失神したケースもあった。
一方、ビタル判事は、アル・マクヌーク氏、ザイテル氏、アリ・ハッサン・カリル元財務大臣に関する追加資料を政治家に提供することを拒否した。議会当局は、訴追免除特権の解除要求に対する判断を下す前に、判事に追加証拠を出すよう求めていた。
ビタル氏は、「いかなる追加書類も提出する義務はない。なぜなら、調査の守秘義務を侵害することになるからだ」と述べたと伝えられている。
同氏は、国家治安局局長のトニー・サリバ少将を含む政治家や治安当局者らに対し、港に爆発物が安全でない状態で保管されていることを知りながら、これに基づいて行動しなかったとして、過失の軽罪と、殺意があった可能性があるという重罪の容疑をかけている。