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「自分自身の感覚を麻痺させる」病院の火災によりイラクの新型コロナウイルス危機が深刻化

イラクの医師らは、新型コロナコロナウイルスとの戦いに彼らは敗れつつあると述べる。今週新型コロナウイルス患者の隔離病棟で大勢の人々が犠牲となった壊滅的な火災が発生する以前から、そうであったと主張する。
イラクの医師らは、新型コロナコロナウイルスとの戦いに彼らは敗れつつあると述べる。今週新型コロナウイルス患者の隔離病棟で大勢の人々が犠牲となった壊滅的な火災が発生する以前から、そうであったと主張する。
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16 Jul 2021 10:07:25 GMT9
16 Jul 2021 10:07:25 GMT9
  • 多くの人が、火災の原因は医療体制における腐敗と不備にあると見ている。

バグダッド:ベッドがない、医薬品が足らない、病棟が火事に見舞われる―イラクの医師らは、新型コロナコロナウイルスとの戦いに彼らは敗れつつあると述べる。彼らは、今週新型コロナウイルス患者の隔離病棟で、大勢の人々が犠牲となった壊滅的な火災が発生する以前から、そうであったと主張する。

より感染力が強力なデルタ変異株による感染の第3波により、イラクの新型コロナウイルス感染者数は急増しており、国内のコロナ感染者数は過去最高を記録した。数十年に及ぶ戦争の影響により長い間放置されていた病院は、重症患者で溢れかえっており、今回その多くが若者である。

医師らはネット上で医薬品や酸素ボンベのための寄付を呼びかけている。さらにコロナ患者の親族らは、罹患した愛する家族のため、病院のベッドを確保しようと、ソーシャルメディアを利用している。

「毎朝、同じような混乱が繰り返され、病棟は患者であふれかえっています」とバグダッドのアルキンディ病院で医師として働くサルメド・アハメド氏は述べる。


崩壊しつつあるイラクの医療体制に対する不信感は、月曜日にイラク南部のナシリアのアル・フセイン病院で発生した火災によってさらに強まった。この3カ月の間に新型コロナウイルス病棟で発生した火災は、今回で2度目である。

今回の火災から数日後、火災による死者数は保健省が60人、地元の保健当局が88人と発表したのに対し、イラクの国営通信社が92人と発表し、論争となっていた。

今回の火災の原因は、医療体制の腐敗と不備にあるとの声が多く、イラクの首相は主要な医療関係者の逮捕を命じた。


医師らは、国内の劣悪な構造のコロナ隔離病棟で働くことを恐れており、施設の安全対策が不十分であると批判している。

バグダッドの医師で、今回火災が発生したナシリアの病棟と同様の新しい隔離病棟で働くハディール・アル・アシャブル氏はこのように述べた。

「2つの火災の後、私は呼び出しがかかる度、自分自身の感覚を麻痺させています。なぜなら、イラクのすべての病院が火災により焼失する危険性が刻々と高まっているからです。私には何ができるというのでしょうか?仕事は辞められません。呼び出しの電話を拒むことはできません。」

さらに「患者もこのような病院で治療を受けることを望んでいませんが、これは患者にとってもどうすることもできないことなのです」と加えた。

イラクでは水曜日、新たに9,600人以上の新型コロナウイルス感染者が確認されており、1日あたりの新規感染者数は、新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)発生以来、過去最高となった。1日あたりのコロナ新規感染者数は、5月から徐々に増加傾向にある。イラク保健省によると、これまでに1万7600人以上が新型コロナウイルスにより死亡している。

今年4月、バグダッドのイブン・アルハティーブ病院で酸素ボンベの爆発による火災が発生し、酸素ボンベを必要とするコロナ重症患者を含む、少なくとも82名が死亡した。この火災が原因となり、イラクの保健相が辞任した。

2つの病院の火災は、施設の建築上の欠陥と、特に酸素ボンベの取り扱いを含む安全対策の不備が原因だとされている。アル・フセイン病院の70床の病棟は、3ヶ月前に完成したばかりだが、非常に可燃性の高い内壁パネルが建設に使用されたと、病院関係者や民間防衛関係者は指摘している。

今週、バグダッドのある主要救急病院では、新型コロナウイルス患者の親族らが、椅子がないために床に座っていた。

病院のスペースが限られているため、アハメド医師はバグダッドの保健当局に患者をどこに搬送したらよいいかアドバイスを求めた。「そうすると保健当局は、この病院に5人、別の病院に5人、患者を搬送してくれなどと言います」と述べた。

バグダッドで歯科医をしているハディール ・アルメイニ氏は、新型コロナウイルスに感染し、苦しんでいる父親を受け入れてくれる病院を探すためにフェイスブック頼り、このように訴えた。

「父は呼吸ができません。肌の色が青くなってきています。病院は父を受け入れてくれませんでした。」

南部の都市カルバラでは、医師らがソーシャルメディアで、新型コロナウイルス患者の治療に使われる抗ウイルス薬、レムデシビルの寄付を訴えている。


アル・シャブル氏によると、彼女の病院では医薬品や人工呼吸器が不足しており、新型コロナウイルス患者の60%が人口呼吸器を必要としているという。

バグダッドにあるアル・ヌマン教育病院の小児科医であるアリヤ・ヤス氏は、パンデミック発生以来、初めてコロナの症状が重症化した子供たちが病院を訪れていると述べた。

医師らは、ワクチン接種をためらう人が多いことが原因だとし、実際の感染者数は省庁の発表よりも多いのではないかと懸念している。多くのイラクの人々は、公立の病院を信用していないため、PCR検査を控えている。

また、メディアへの発言を許可されていないため匿名を条件に語った保健省関係者によると、イラク国内でこれまでワクチンを接種した人が人口に占める割合は、わずか3%未満である。イラク保健省は、パンデミックの規制を無視した国民を公然と非難している。

医療従事者は、上司に懸念を伝えてもほとんど何の効果もなかったと語った。

バスラのアル・セーダー教育病院の元医師であるモハメド・ジャマル氏は、省内の監査委員会に対し、このように尋ねたという。

「なぜ医薬品の補充や消火器の交換がされていないのでしょうか?火災警報器はどこにあるのでしょうか?」

「彼らは聞きませんでした。彼らは見てもいませんでした」とモハメド・ジャマル氏は述べた。

AP

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