

ナジャ・フーサリ
ベイルート:レバノンは木曜朝、イスラエルがシリア領土を攻撃するためにレバノン領空を利用してレバノンの主権を侵害したと、国連事務局に報告した。
レバノンは、イスラエルがヒズボラ支配下にあるとみられるシリア・ホムス行政区域アル・クサイルの軍基地へ攻撃を行う際に領空を侵犯されたと主張する。
イスラエル機が撃ったミサイルがベイルートから北に56キロのビブロス地域のレーフェドの町近くの森に着弾したという。
レーフェドの人々は、建物が揺れ、窓ガラスが割れた大きな爆発の音で目を覚ました。
地元民によると、人口が密集する場所から半径数百メートル内にミサイルが着弾し、地面に深さ約20メートルの穴が空いたという。
初期情報によるとこのミサイルは重量約250キログラムで、死傷者は報告されていない。
マジダルや近隣のコウラの村の住民も爆発音を聞いており、シリア空軍がイスラエルのミサイルを迎撃したことによるものだと考える閃光を見たと言う。シリア国境沿いの北部の地域アッカルの人々、特にワディ・カーレドとアクルームの住民は、ホムスのシャイラト空軍基地に向けてミサイルが発射される音を聞いたと語った。
シリア通信局(SANA)は「シリア軍の防空部隊はミサイルを迎撃してその大多数を撃ち落とし、これにより物理的な損害が生じた」と報じた。
ビブロスの元議員ファレス・スーアイド氏はこの件について、「迎撃されたミサイルの発射元が地域における紛争、地域に対する戦争を生んだ。今日はレーフェドだったが、次はどこになる?」とツイートした。
ヒズボラは2013年6月、シリアの戦争に介入した際にアル・クサイルを制圧したが、現在同地はイランと関係がある武装集団の保安本部および訓練センターとなっている。アル・クサイルの北東にあるアル・ダバア空軍基地はヒズボラのキャンプのための空爆用供給基地となった。
ヒズボラが2016年に大規模な軍事パレードを行いこの地域の支配をアピールした。
レバノンのシリア国境沿いの町アルサルの難民キャンプの数人のシリア人難民によると、シリア政権に反対したアル・クサイルの住民はヒズボラが支配するとアルサルや近隣の郊外地域へと逃亡したという。
また難民らは、ヒズボラはアル・クサイルの西に銃弾や武器の倉庫を持っていると述べた。
2014年2月以降、難民がアル・クサイルの町に戻ることは許されていない。ヒズボラは2019年9月には難民に帰還を促したが、「ヒズボラに忠実であること」などいくつかの条件が課された。
また木曜には、イスラエル軍はレバノンの南の国境を越えてガリレエ地域に進入した2人を逮捕した。
国連レバノン暫定軍(UNIFIL)メディアオフィス副所長キャンディス・アーデル氏はレバノンの国営通信社に対し、「UNIFILは今日早朝にイスラエル当局がレバノンから国境を越えイスラエルに入った2人を逮捕したことを認識している。我々は関係者と連絡を図っており、この件を追求している」と述べた。