
マエデ・シャリフィ
ロンドン:国連人権高等弁務官は金曜日、イランのデモ抗議参加者に対する政府の弾圧を非難した。
ミチェル・バチェレ国連人権高等弁務官はイラン政府に対し、「抗議行動の鎮圧」ではなく、抗議デモの発端となったフーゼスタン州における 「慢性的な水不足」への対処に注力するよう求めた。
バチェレ氏は、「イラン政府は、壊滅的な水危機がフーゼスタン州の人々の生活、健康、発展に与える影響に対処すべきであり、これらの問題が長年放置されてきたことで絶望に追い込まれた人々により行われる抗議活動ではない」と述べた。
「この1週間で発生した死傷者や、広範囲に及ぶ逮捕・拘留について私は非常に憂慮しています。」
国連や人権団体は、抗議行動に対するイラン政権の「不均衡な」対応を非難している。アムネスティ・インターナショナルによると、アラブ系住民が多く居住し、イラン南東部に位置するフーゼスタン州では、先週抗議デモが始まって以来、少なくとも8人が治安部隊によって殺害されている。
国連によると、フーゼスタン州はかつて国内でも主要かつ最も信頼性の高い水源であったが、「国内の他の地域への水の転用を含む長年にわたるずさんな管理と、全国的な干ばつにより、命を救う貴重な水資源が枯渇してしまった」。
必死に水を求め、人々は街頭で抗議デモを行いこのように叫んだ。「喉がカラカラだ。水は私達の権利だ」。 バチェレ氏は、国連は国連総会における決議によって、安全な飲料水へのアクセスが基本的人権であることに同意していると述べた。
バチェレ氏は「水はまさに権利である 」と強調したうえで、このように加えた。「しかしイラン政府は、水に対する権利の擁護を求める市民の正当な声に耳を傾けるのではなく、声を上げた人々を弾圧することにほぼ専念しています。」
「状況は壊滅的であり、このような状況は何年も前から続いています。イラン政府はこのことを認識して行動する必要があります。銃撃や逮捕は、単に人々怒りと絶望を増大させるだけです。」
シーア派やペルシャ語を話す人たちを優遇し、宗教的・言語的な少数民族を抑圧するイラン政府の施策により、イランの少数民族は、長い間抑圧されてきた。アムネスティによると、アラブ人、アゼルバイジャン人、クルド人などの非ペルシャ系民族は、経済的弱者層となり、法制度による不公平な扱いを受け、強制失踪に直面し、形式だけの見せかけの裁判の後に処刑されることさえある。
昨年アムネスティは、「民族的・宗教的少数派は、暴力だけでなく、定着した差別にも直面した」と報告書で指摘した。「強制失踪、拷問、その他の不正な扱いが、その責任を問われることなく広範かつ組織的に行われていた。」
しかし、「方針を変更するのに遅すぎるということはない」とバチェレ氏は語った。「治安部隊に対し武力行使に対する国際基準を遵守するよう、明確な指示を出すことから始めることが、イラン政府に切実に求められています。」