
ブリュッセル:欧州連合は27日、チュニジアが大統領による首相追放で混乱に陥ったことを受けて、同国に政治的安定が早急に取り戻されることを求めた。
「欧州連合は、最大限注意しながら、チュニジアの動向を追っている」と、欧州連合(EU)のジョセップ・ボレル外務政策上級代表が声明の中で述べた。
「我々は、可及的速やかに制度的安定性が取り戻されること、特に議会活動の再開、基本的な権利の尊重、あらゆる形の暴力を慎むことを求める」。
ボレル氏は、「民主主義の維持と国の安定が優先事項だ」と主張し、財政危機や新型コロナウイルスのパンデミック対応に役立てるためにEUが与えた「相当な支援」について指摘した。
10年前のアラブの春の反乱の発祥地である北アフリカの若き民主主義国家は、25日にカイス・サイード大統領がヒシェム・マシシ首相を解任し、議会に30日間の閉会を命じたことを受けて、憲法上の危機に陥った。最大政党アンナハダはこの動きを「クーデター」だと非難した。
その後、サイード大統領は国防相と法務相を解任した。
この危機は、大統領、首相、アンナハダの党首のラーシド・ガンヌーシー氏の間での数ヶ月にわたる対立の結果として生じた。この対立は新型コロナウイルス対応に支障をきたし、死者数は人口当たりの割合が世界で最も高い国の1つになるまで急増している。
AFP