
アラブニュース
ジェッダ:イランに関連する勢力が火曜日、アラブ首長国連邦(UAE)沖のアラビア海で石油タンカーを拿捕した。
パナマ船籍のアスファルト・ビチューメン運搬船『 アスファルト・プリンセス』は、UAE東海岸のフジャイラ沖60海里、ホルムズ海峡に通じる海域で拿捕された。
英国の安全保障関係筋は、「イラン軍またはその代理となる勢力が、船舶を乗っ取ったという仮定に基づいて作業を進めている」と述べた。
英国軍に所属する英国海運貿易オペレーションは当初、火曜日にフジャイラ沖で「現在、ある事案が発生している」と船舶に警告を発出した。その数時間後、発生している事案は「拿捕の可能性がある」と述べた。
WARNING 001/AUG/2021 Update 01
— United Kingdom Maritime Trade Operations (UKMTO) (@UK_MTO) August 3, 2021
Category: Incident – Potential Hijack – Non Piracy
Description: An Incident is currently underway in position 2502.00NN 05728.54E. Incident upgraded to Potential Hijack.https://t.co/TMgzxKatV8#MaritimeSecurity #MarSec pic.twitter.com/s5GDqW4NYV
火曜日の午後、UAEとイランの間の海域を航行する少なくとも5隻の船舶が、自動追跡ステータスを「操縦不能」に更新した。これは通常、例外的な状況のにより船舶が操縦できないことを示す状態である。
イラン外務省は、UAE沿岸で複数の船舶が関与する安全保障上の報告は「疑わしい」と述べ、イランに対する「誤った雰囲気」を作り出そうとする試みに対し警告した。
サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハーン外務大臣は12日、イランが中東各地で悪影響を及ぼし、海運を危険にさらす行為を行ってると述べた。さらに、ファルハーン外相はイランはイエメンの反政府武装勢力フーシ派を支援しており、レバノンの政治的行き詰まりの原因となっていると加えた。
ファルハーン外相は、「この地域のすべての場所において、イランの活動は強化され続けている」と述べた。「イランはこの地域で極めてネガティブな活動をしている。」
先週、オマーン沖で石油タンカー『MVマーサー・ストリート』がイランの無人機により攻撃を受け、同タンカーのルーマニア人船長と英国人警備員が死亡して以来、湾岸地域における緊張が高まっている。
攻撃を受けたはイスラエルの会社が運航しており、イスラエル、英国、米国は、今回の攻撃に対して「集団的な対応」を行うと述べた。
2019年以来、フジャイラ近海で爆発や船舶の拿捕が相次いでいる。米海軍は、イランが吸着機雷(リムペットマイン)を使用し、石油タンカーを攻撃したと非難した。
また、2019年には、イランが7月19日にホルムズ海峡で、イランのバンダル・アッバス港からドバイに向かっていた英国船籍の『ステナ・インペロ』を拿捕した。この英国船籍の拿捕の前には、英国の海外領土であるジブラルタル沖で、欧州連合(EU)制裁に違反して1億3,000万ドルの原油をイランからシリアへ輸送していたとみられる石油タンカーが英国により拿捕されるという事案が発生していた。その後、どちらの船舶とも解放された。
昨年7月、イランに課されている制裁の回避であるとして米国が捜索していた石油タンカーが、UAE沖で拿捕された。その後タンカーと乗組員はイランに到着した。
ロイター通信と共同