
チュニス(チュニジア): 3日、新経済相指名の翌日、カイス・サイード大統領は一連の解任劇に駐米チュニジア大使の解任も付け加えた。
サイード大統領は2週間近く前に解任した首相の後任や就任時期を明らかにしなければならない。大統領は7月25日から布告により議会を停止し行政権を担っているが、同時に国際外交もこなす必要がある。3日には中東地域の重要な同盟国であるエジプトの外相と会談を行った。
現地の世論調査によれば、議会停止など、議論を呼んでいるサイード大統領の今回の行動への支持率は高い。
「アラブの春」の引き金となった革命で10年前に独裁政権を追放してから、チュニジアは民主化を推進してきた。「アラブの春」の騒乱から生まれた唯一の成功例であるチュニジアの今後を、欧米および中東の同盟国は注視している。
チュニジアは経済・社会的危機のほか医療危機にも直面している。新型コロナウイルスの感染が病院の収容能力を超えて拡大しているためだ。サイード大統領は緊急事態における大統領の介入を容認する憲法の条文により、国を救うために今回の行動を取ったとしている。
エジプトのサーメハ・シュクリ外相との会談で、サイード大統領は「エジプトとチュニジアの安全保障上の関係」を強調したと国営TAP通信が報じた。
エジプト外相はアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領のサイード大統領への支持を伝え「今回の歴史的な行動を全面支援」すると明らかにした。国営TAP通信は会談後のエジプト外相の話として「エジプトとチュニジアは両国関係だけでなく、地域の安定のためにも協力していく」ことも伝えている。
2日、重要省庁である経済省は解任されたアリ・クーリ氏に代わる臨時経済相が就任した。通信技術省も同様だ。
サイード大統領は行政権を掌握して以降、高官を相次いで解任しているが、それは3日にも続いた。
駐米チュニジア大使のネジメディン ラカル氏が新たに解任されたと国営TAP通信が論評抜きで伝えた。また3日には、チュニジア東部の重要都市、スファックスの知事も大統領により解任されている。
これまで起訴を免れていた議員の中には、司法当局に拘束された者もいる。サイード大統領は権力を掌握した際、議員の免責特権を停止し、一部の議員が免責されていた訴訟のために召喚された。
AP