
バリ:ベイルートの一部を抉った大規模爆発から1周年を迎えた4日、援助会議が開催された。そこでフランスのエマニュエル・マクロン大統領は、レバノンの緊急支援に少なくとも3億5000万ドルを募ることを目指した。
2020年8月4日に起こったベイルート港の爆発では、少なくとも214人が死亡した。この事故はレバノンに痛手を与え、かねてから停滞気味だった同国の経済を崩壊寸前まで追い込んだ。
燃料、薬、そして食料の全てが不足するようになった。だが、レバノン政党間の小競り合いが新しい政権の樹立を妨げ、深刻に求められる国際的な救済措置を遅らせている。
マクロン大統領とアントニオ・グテーレス国連事務総長は4日、ビデオ会議を共催した。フランスは、レバノンの人々にとって最も緊急性の高い食料、医療、清潔な水や教育といった支援のために、この会議で3億5700万ドルを集める必要があると述べている。
マクロン大統領はオンライン形式の会議に先立ち、「悲劇から1年が経った今も、レバノンはフランスの連帯を頼りにしてほしい」とツイートした。
会議には、米国のジョー・バイデン大統領、エジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領、そして当事者であるレバノンのミシェル・アウン大統領の他、サウジアラビア、カタール、国際通貨基金など約40の国と国際機関が参加する。
これは、旧宗主国のフランスがこの3年間でレバノン支援のために開催する、3度目の会議だ。
資金提供者は数百万ドルの緊急援助を約束する度、汚職横行問題への取り組みを保証するいっそう広範な救済計画を改革に含めることを、レバノンの政治指導層に対し求めてきた。
レバノンでは過去1年間、組閣が成されないままだ。
億万長者ビジネスマンのナジーブ・ミカティ氏は最近首相に任命され、爆発事故から1周年を迎えるまでに組閣することを望んでいた。だが、閣僚のポストを巡る小競り合いは続いている。
会議に参加していたドイツのハイコ・マース外務大臣は、「組閣についても、緊急改革の推進についても未だ進展はありません。経済が極度に悪化していることを考えれば、無責任だ」と4日に指摘した。
統治と公共部門の説明責任改善の試みを妨害する支配層のエリートに対し、国連は先週、制裁を加える用意があると発表した。
フランスはすでに、名指しすることなく数人のレバノン当局者を領土から追放している。
匿名を条件として、マクロン大統領の補佐官の1人は記者へ次のように述べた。「標的になっている本人らは理解しており、それが最初のステップ。圧力は増し続けるでしょう。」
レバノン国民と国際コミュニティの主な要求の1つは、港の爆発を引き起こした倉庫火災について、政府上層部を取り調べることだ。
倉庫には、数百トンの硝酸アンモニウムが乱雑に保管されていた。
AFP