
ナジャ・フーサリ
ベイルート: 金曜日にイスラエルに向けて行われたロケット攻撃により、過激派組織ヒズボラへの支持が低下した。
ヒズボラによるイスラエルへの攻撃は、レバノン市民の反感を買った。
南部のチョーヤ村で発生した事案や、土曜日の夜に各地で発生した市民グループ間の衝突により、ヒズボラへの支持の低下が複数の要因によって始まっていることが明らかとなった。
レバノン進歩社会党(PSP)は金曜日、チョーヤ村のドルーズ派住民が占領地の砲撃区域にロケット弾や発射装置を運ぶヒズボラのトラックを妨害したため、この状況を抑え込もうとした。チョーヤ村のドルーズ派住民らは、イスラエルによる彼らの町への報復攻撃を恐れていた。
一方、ベイルートとベッカー高原およびシリアを結ぶ国際道路であるアレイ・バムドゥーン道路では、ヒズボラの支持者と思われるシーア派の人々と、PSPの支持者らの間で緊張が高まっていたが、土曜日には平穏が戻った。
さらに、ヒズボラの支持者らは金曜日、チョーヤ村マルジャアユーン地区でドルーズ派の行商人らが市内で野菜を売っている最中、彼らを追放した。
この時の様子の動画がソーシャルメディアで拡散されるやいなや、PSPの支持者らはドルーズのアレイ・バムドゥーンの道路を封鎖した。彼らは車を破壊し、運転手らに殴りかかった。その後、赤十字の救急車が事件現場に駆けつけ、負傷者の治療にあたった。
ナセル人民機構は、「サイダから追放された行商人たちを、市内の彼らが元々いた場所に帰した」と述べ、「今回の事案は醜く、奇妙なものだった」と付け加えた。
これらの最新の出来事に先立ち、ベイルートの南に位置する海岸沿いの町カルデで先週の土曜日、男がヒズボラの保護を受けている武装グループのリーダーを殺害するという暴力事件が発生した。
男の葬儀の最中に銃撃戦が発生し、この銃撃戦により5名が死亡し、10名の負傷者が出た。これにより、レバノン軍が介入することになった。
学術執筆を行う政治学者であるハリス・ スレイマン氏はアラブニュースに対しこのように語った。「この数日間に発生した事案により、ヒズボラがこれまで被っていたすべての仮面が剥がされることになりました。ヒズボラはこれまで、事実を捻じ曲げることにより、自身の利益となるよう政治やメディアの場で自身の力や地位のイメージを描いてきました。しかし、最近の出来事はそのイメージを覆すものでした。」
スレイマン氏は、「ヒズボラが汚職ネットワークから遠くないところにいたことが明らかとなりました。実際、この汚職ネットワークを管理および保護していたのはヒズボラだったのです」と述べた。
さらにスレイマン氏は、「ヒズボラが中央銀行を標的にしたのは、民兵がシリアに密輸する商品を支援するよう中央銀行を脅迫することが目的だったことも明らかになっています」と語った。
またスレイマン氏はこう加えた。「ヒズボラのメンバーは給料を米ドルで受け取っているため、ヒズボラと他のシーア派コミュニティとの間には軋轢があり、コミュニティ内で差別が生じています。」
そして彼はこのように述べた。「チョーヤ村の村民は愛国者であり、ヒズボラの発射装置が没収された後、一部の人が非難したような人たちではありません。」
さらに、スレイマン氏はこのように付け加えた。「ヒズボラはイスラエルが反応するように挑発していました。チョーヤ村の村民らが没収した発射装置には、まだ11発のロケット弾が残っており、任務を完了することができませんでした。これは、ヒズボラが別のロケット弾を別の場所、おそらくドルーズ派の多い地域から発射することを意図していたことを意味してます。そうすれば、イスラエルが報復攻撃を行った際に、ヒズボラはイランを守るのではなく、すべての宗派を守っていると主張することができます。」