
アラブニュース
ジェッダ:オマーン沖で起きたイスラエルが運航するタンカーへの破壊的攻撃にイランが関与していることを示す証拠が次々と出てきている。開き直ったイランの指導者らは土曜日にこうした証拠を突きつけられた。
先週、タンカー「MTマーサー・ストリート」が爆発物を搭載したドローン(小型無人機)の攻撃を受けた。この攻撃でルーマニア人船長と英国人警備員が死亡し、国際的な怒りを呼んでいる。
中東での軍事作戦を統括する米中央軍(CENTCOM)の新しい報告書によると、ドローンの部品の写真、イランから攻撃地点までの距離の分析、そして攻撃の巧妙さからイランの関与が指摘されている。
報告書によると、損傷したタンカーの上や近くで発見された破片は、これまでに確認されたイラン製の使い捨て攻撃型ドローンの部品と一致するという。
「イランが設計・製造した使い捨て攻撃型UAVの使用は、この地域で増加傾向にある。イランとその代理勢力は、サウジアラビアやイラクを含む地域の連合軍に対してこうしたUAVを積極的に使用している」と米中央軍は指摘した。
米中央軍は「イラン沿岸から攻撃が行われた場所までの距離は、記録されているイランの使い捨て攻撃型UAVの航続距離内だった」と述べた。
イランの関与を指摘するこの詳細な報告書は、米空母ロナルド・レーガンの調査員がマーサー・ストリートを訪問して得た調査結果に基づいている。 調査員は、タンカーは3機のドローンに攻撃されたとみられると述べた。 米中央軍によると、証拠の閲覧を許された英国とイスラエルの爆発物専門家も米国の調査結果に同意したという。
この報告書が発表される前の金曜日、G7は、「イランは国際的な平和と安全を脅かしており、入手可能なすべての証拠がマーサー・ストリートへの攻撃にイランが関与したことを示している」としてイランを非難した。「攻撃は意図的かつ狙いを定めたもので、明らかな国際法違反だ。この攻撃を正当化することはできない」とG7外相は述べた。
このような証拠があるにもかかわらず、イランは土曜日にこの攻撃への関与を否定し、イスラエルがイラン・イスラム共和国に損害を与えるために「シナリオ」をでっち上げたと非難した。
イラン外務省のサイード・ハティブザデ報道官は、「我々は、G7外相と欧州連合の外務・安全保障政策上級代表が、根拠のない非難をイランに向けて行ったことを強く非難する」と述べた。
ハティブザデ氏は、タンカー攻撃とイランへの非難は、イランのイブラヒム・ライシ新大統領が就任する数日前という「注目すべき」タイミングででっち上げられた「シナリオ」だと述べた。
「専門家やこの地域の歴史を知る者にとって、イスラエルがこのような陰謀を企てることは新しいことではない」とハティブザデ氏は述べている。