




ベイルート:レバノンのデモ隊は、200人以上が死亡した埠頭での大規模爆発事故の1周年から数日経った8日、正義を求めてベイルート港から模擬棺を運び象徴的な葬送を行った。
昨年8月4日の倉庫火災が膨大な量の硝酸アンモニウムに引火し、平時としては史上最大級の爆発を引き起こした港への入り口で、犠牲者の家族は数十人の支援者と合流した。支援者の中には黒い服に身を包んで燃える松明を手にする人もいた。
犠牲者の妻や姉妹、母親は、愛する人の肖像画を持ち、花で覆われた象徴的な3つの棺の先頭に立って行進したと、AFP通信の記者が述べた。
あるプラカードには「硝酸アンモニウムがもたらした結果がこれだ」と、書かれていた。
デモ隊は、マーチングバンドのドラムに合わせて、爆発で大きな被害を受けたジェマイゼ地区とマル・ミカエル地区の近くを行進した。
「これらの棺は、我々が殉教者たちの棺を運んぶことで、人々に事件を伝えるための象徴なのです。」と、遺族会広報のイブラヒム・フテイト氏が述べた。
「我々は真実を当然知るべきですし、愛する人のために正義を求めるもの当然です。諦めません」と、同氏は述べた。
4日には、数千人の人々が爆発事故を追悼してベイルートでデモを行い、214人の死者を出した大惨事の責任を誰も取っていないと怒りの声を上げた。
政府によると、爆発性の高い肥料の硝酸アンモニウムは、安全対策がなされないまま、何年も港に保管されていたという。
この爆発により、6500人が負傷し、数十億ドル相当の被害が発生した。
しかし、この大惨事の司法の捜査はほとんど進んでいない。
元大臣らには、過失によって爆発事故に至ったとして、共犯の容疑がもたれている。
レバノンの極めて不人気な支配階級は、調査を妨害し、起訴を避けるために、ありとあらゆることをしているとして、非難を受けている。
「犯罪は続く、訴追免除特権をはく奪せよ!」と、8日の集会でのあるプラカードには書かれていた。
双子の兄弟アブド氏38歳を亡くした心理学者のヘレネ・アタ氏は、公正な裁きが行われるまで、毎日街頭に立つよう、レバノン市民に呼びかけた。
「この事件にまつわる不正義や、何もしない当局、彼らが裁きを回避しようとする姿勢の影の下で、痛みは日に日に増していきます」と彼女は語った。
「1年が経ちましたが、何も変わっていないかのようです」と、彼女は語った。
AFP通信