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レバノンのデモ参加者と追い詰められた指導者、別々の独立記念行事を開催

デモ参加者達による「真の独立」の最初の年を示す全国的な行事が、伝統的な軍事パレードに代わって中心となる中で、独立から76年を迎えたレバノン。(AFP)
デモ参加者達による「真の独立」の最初の年を示す全国的な行事が、伝統的な軍事パレードに代わって中心となる中で、独立から76年を迎えたレバノン。(AFP)
23 Nov 2019 09:11:53 GMT9
  • レバノン中の大小の町の広場で、国の祝典に伴い多くの運動が展開された
         
  • 町のデモ参加者は、議会協議会による首相指名を義務付けるよう、早期に約束することを求めている

Najia Houssari

ベイルート:デモ参加者と追い詰められたレバノンの政治家たちは、金曜日に76回目の独立記念式典を別々に開催した。

レバノンの指導者たちは伝統的な軍事パレードに参加したが、ベイルート中心にある例年の会場がデモ参加者により占拠されたため、今回のパレードは大幅に縮小され、国防省の本部に場所を移さざるを得なかった。

一方、何千人ものデモ参加者が、首都の殉教者広場で平和的な行進を行った。これはレバノンで経済危機を引き起こし、サード・ハリーリー首相を辞任に追い込んだ全国的な反政治エリート運動の開始から37日後のことだった。

政府による独立記念日のパレードには、ミシェル・アウン大統領、ナビーフ・ビッリー国民議会議長、そしてハリーリー首相が出席した。この3人が揃って公の場に姿を現すのは3週間ぶりのことだった。

リヤード・アッ=スルフ広場および殉教者広場で行われた独立記念行事に参加したレバノン市民の一人で、ファッションデザイナーのPaula Noamanは、記念行事を「自由の祝典」と表現した。

彼女の友人で同じくファッションデザイナーのDeniz Nassif Saderは、「支配階級は老いぼれてしまい、刷新されなければなりません。レバノンを1つの会社と見れば、そのオーナーは老いたときには引退しなければなりません。しかし私達の政治家たちは大きなエゴを持っていて、子供のように権力にしがみついています」と語った。

「彼らには、何十年もやってきたのと同じやり方でレバノンを導くことはもはやできません。私達には若い世代が必要です。誰が若者には政治の経験がないと言ったのでしょう。政治は私達をめちゃくちゃにしました。若者たちに今とは違うレバノンを築く機会を与えるべきです」

レバノン中の大小の町の広場で、国の祝典に伴い多くの運動が展開された。金曜日の朝、殉教者広場で、レバノン市民の反乱を象徴する巨大な拳が燃やされた。

活動家のYoussef Issaは「オートバイに乗った身元不詳の若者が夜明けに広場に忍び入り、火炎瓶を巨大な拳の切り抜き絵に投げつけて去った。地域の保安隊は彼を捕まえることができなかった」と語った。

この出来事はソーシャルメディア上で「革命のサボタージュ」を批判する反応を引き起こした。

別のデモ参加者のJoyce Thabetは、「あの臆病者達は武器を持たない手に怯えているんです。中身のない手にすぎません。彼らは名ばかりの人間です。革命は続き、人々の尊厳を傷つける者達を焼き尽くすでしょう」と述べた。

Faris Saeed前議員は「拳を燃やした人間は誰であろうと愚か者です。レバノン中のどの町も革命のシンボルを持つことになるでしょうから」と強調した。

携帯電話の光で広場を照らす独立記念行事参加者達が、すぐに拳の代わりになった。

57歳のHisham Tabbaraは「革命は腐敗がなくなるまで続くというのが今日のメッセージです。私達の世代は、自らの権利を自覚し、羊の群れのようになることを拒む、このすばらしい若者達を生み出したのです」と語った。

ヒズボラやAmal Movementが勢力を増す土壌になっているとされる、バールベック=ヘルメル県出身のデモ参加者たちも祝典の行進に加わった。

Ali Yazbeck は「私達の地域の人間みんながヒズボラやAmalを支持しているというのは誤りです。40から50%の人は彼らに投票しましたが、他の人達は候補者達が自分たちの希望を代弁していると信じていないため投票することをためらっています。私達はヒズボラ支持者が腐敗のない国の一部となるような母国を築きたいのです」と語った。

首相への支持が根強いことで知られるBekaa地方のQabb Ilyas出身の活動家達も独立記念行事に参加した。

Bekaa Youth MovementのZakaria Kouiderは、「首相は独立記念日前夜のスピーチでレバノン国民に呼びかけましたが、人々の懸念に対処することができませんでした。私達は石油のことなど気にしていません。私達が求めているのは、減税と老後の保障、そして尊厳を持って生きることです」と語った。

「私はBekaaにある工場で機械関連の仕事をしていますが、他の人達はコネを使わなければ働けません。Bekaaの人たちはもはや暖を取るための燃料も買えませんが、気温は非常に下がっています。Bekaaでは暖房には80万リラ(520ドル)かかりますが、これは1ヶ月の給料でかろうじて足りるほどです」

ザーレの保守作業員で、25歳のAmer Hassan Salloumは、「支配階級を変えたい」がために革命に加わったと述べた。

彼はハリーリー支持者ではないと言ったが、「ハリーリーがいなければこの国はやっていけません、彼は国際社会を引きつける磁石のような存在で、この国に信頼を与えてくれました。また、彼は民衆の求めに応じて率先して退陣し、運動を助けました」と付け加えた。

「確かにアウン大統領は私達に冷静に語りかけていますが、彼は腐敗した人間について不平を言い、私達は彼らについて不平を言っています。腐敗しているのは誰でしょうか。教えて下さい」

アラブや欧米諸国に在住する若いレバノン人達はソーシャルメディアを通じて協調し、ベイルートを訪れてそれらの広場で週末を過ごしました。

公衆衛生の研究者で、パリに17年間住んでいるDalia Obeidは、「私達は今日ベイルートの空港に到着し広場に来ました。それぞれ自分で自分の旅費を払いました。私達はレバノンの運動を支援する国外のグループを作るために活動しています。混乱や腐敗のない国に帰りたい、そのことを伝えるためにレバノンに来たんです。この革命によって帰国の望みがあると信じたからやって来たのです」と語った。

ベイルートの広場でのデモ参加者は日々急増し、知識人、医者、薬剤師、環境保護主義者、芸術家、弁護士、教師、子供を持つ母親、特別な支援を必要とする人々、銀行員、技術者、農業家、職人、ビジネスマン、実業家、アスリートなど様々な人々が参加した。彼らはみなレバノンの旗を持ち、革命を唱えた。

国防大臣のイライアス・ボゥ・サーブは象徴的な軍事パレードのあとに演説した。彼は以下のように述べた。「政府を作るための交渉を通して、あるいは立場を良くしようとすることで、英雄として見られるために市民運動を政治的に利用している人々がいる」

「一体誰が、既存の議員連合の外からすべての大臣を指名することができるだろうか。どうやって彼らは信頼を得るのか。政治的、党派的、そして宗教的なバランスというものがある」

ボゥ・サーブは、議会協議会は時間ではなく成果によって制約されていると強調した。

街のデモ参加者達は、議会協議会による首相指名を義務付けるよう、早期に約束することを求めている。大統領と彼の盟友であるヒズボラが技術政治的な政府にしがみついている一方で、ハリーリー首相はもし新政府を引き継ぐよう指名されれば技術官僚の政府を求めるだろう。

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