
チュニス:チュニスのシディ・バフリ市場では、大統領が先月政府を掌握して以降、汚職や物価高について着手してことを買い物客たちが喜んでいた。
カイス・サイード大統領は、チュニジアの経済政策を批判し、商人たちに食品や医薬品の価格を下げるよう求め、警察が国有産業の汚職を調査する中、何十億ドルもの金を着服したとして、多くのビジネスマンたちを非難した。
「市民は安心していますし、物価は全面的に下がっています」と、シディ・バフリで食料品を購入していた36歳の医療機器販売業者、アザ・ベルワエル氏が語った。
しかし、サイード氏が首相を解任し、議会を凍結してから3週間が経過しても、同氏は新政府の任命もせず、大まかな経済政策も提示せず、財政赤字や債務返済の資金をどのように調達するつもりなのかについても発言していない。
パンデミックによって悪化した経済停滞への怒りが、7月25日のサイード氏による突然の介入に幅広い民衆の支持への顕著な後押しとなった。
サイード氏は大統領として、正式には外交と国防のみに責任を負っている。同氏の主な支持者の中には、政治的左派がいるものの、大統領選挙前に経済観についてはほとんど言及していなかった。
1つの選択肢は、湾岸諸国からの援助かもしれない。サイード氏は援助を向ける「友好国」とのつながりを誇示しており、2ヶ国から特使も迎えている。湾岸諸国からの援助は、サイード氏に財政的な余裕を与え、「政治的な改革を直ちに開始させ、その後、選挙後の安定した政府による経済的な改革を実行」できるかもしれないと、経済学者のエジディーン・サイダネ氏は述べる。
サイード氏には「幅広い民衆の支持」を利用して早急な変革を提案するチャンスがある。
モハメド・アリ・ブフディリ
チュニジア労働総同盟(UGTT)の代表代行であるモハメド・アリ・ブフディリ氏は、サイード氏には「幅広い民衆の支持」を利用して早急な変革を提案するチャンスがあると述べた。
UGTTは、汚職、脱税、ヤミ経済と戦う取り組みを優先課題として見なしていると、同氏は述べた。IMFも、これらを減らす努力を要求してきたものの、公的部門の賃金や補助金の問題に取り組む方が緊急性が高いと考えている。
サイード氏は今、チュニジアの慢性的な経済問題を解決する責務を負っているが、このことは、同氏が最も関心を寄せている政治変革を阻害する可能性がある。
「大局的に考えると、これらの出来事は大きな期待を呼んでいます。彼がこれに応えるのは非常に難しいでしょう」。
「彼にはチュニジアの友人たちの助けと、包摂的なアプローチが必要になるでしょう」と、ある欧米の外交官は語った。
ロイター