
ラバト:「イスラム教への冒涜罪」で3年半の懲役刑となっていたモロッコとイタリアの2つの国籍を持つ女性の控訴審で、執行猶予付きの2か月の懲役刑の判決が下され、23日に刑務所から解放された。人権団体の発表による。
「彼女は23日夜に解放されます」。マラケシュに拠点を置く「モロッコ人権協会」のメンバーであるオマー・アービブ氏はAFPにそう語った。
この23歳の女性は6月、フランスからラバトの空港に到着した際に逮捕され、同じ月に3年半の懲役刑となっていた。
マラケシュの控訴裁判所は一審の判決を覆し、執行猶予付きの2か月の懲役刑としたとアービブ氏は言う。約6000ユーロの罰金も取り消された。
女性の父親は当時「娘はアラビア語に詳しくなかったため、内容を知らずに」コーランの引用に似せたアラビア語の言葉をフェイスブックに公開し、「イスラム教を冒涜した」として有罪となっていた。
マラケシュの宗教団体が女性を告発し、法的な手続きが開始された。
モロッコの刑法第267条では、「イスラム教への冒涜罪」について6か月~2年の懲役刑を定めている。しかし、デジタルプラットフォームなど、公の場で違反があった場合、刑期は最大5年まで延長される。
イタリア政府は裁判所の判断を歓迎している。同国のルイジ・ディマイオ外務大臣が自国の外交官やエンゾ・アメンドラ欧州問題担当次官の努力に謝意を表明した、とイタリアのANSA通信が伝えている。
AFP