
エルサレム:イスラエル軍によると、ガザ市民が国境付近で軍と衝突し、イスラエル南部に向けて風船爆弾を飛ばしたことを受けて、イスラエル空軍は29日早朝、ガザにある2拠点を空爆した。
「イスラエル軍の戦闘機が、武器製造や訓練を行うハマスの軍事施設と、ジャバリアに隣接するテロ用トンネルの入り口を空爆した」と、イスラエル軍が声明の中で述べた。
「この空爆は、ハマスによるイスラエル領土への風船爆弾攻撃と、昨日発生した過激な暴動に対する報復として行われた」と、声明が続けた。
この2つの出来事は、イスラエル軍によると、「ハマスがテロ活動を続け、引き続き一般市民を標的にしていることを示す例である」
イスラエルの空爆によるガザ地区での死傷者の報告はなかった。
28日夜には、ガザ地区に近いエシュコル地域で2つの山火事が発生したと、イスラエルの消防士が語った。
AFPの記者によると、その日遅くなって抗議デモが勃発し、ガザとイスラエルの境界付近でパレスチナ人がタイヤを燃やし、イスラエル軍は催涙ガスや閃光手榴弾を発射した。
ガザ保健当局の発表では、この衝突で、11人のパレスチナ人が負傷し、その中には実弾を受けて負傷した3人も含まれる。
1週間前、境界線付近で起きたイスラエル軍との衝突で銃弾をを受け、その後死亡したオマール・ハッサン・アブ・アル・ニールさん(12)の葬儀が28日早朝行われた。
ガザ市民は、イスラエルによる封鎖の停止と、逃げてきた土地、あるいは1948年のイスラエル建国時に追い出された土地に帰還するパレスチナ人の権利を求めて、2018年に抗議運動を始めた。
ガザを実効支配するイスラム組織ハマスに支援された週ごとの抗議デモはしばしば暴動に発展し、イスラエルは過去1年以上にわたってこの地区で約350人のパレスチナ人を殺害してきた。
ハマスとイスラエルの衝突は、5月にここ数年では最悪の衝突に発展し、破壊的な11日戦争に至った。この戦争は非公式の停戦で終わった。
しかしその後も、ガザ地区からの風船爆弾攻撃が続き、イスラエルはこれをハマスによるものと非難している。
イスラエルは、ハマスが実権を握った2007年からガザ地区を封鎖してきたが、ここへ来て市民の生活や商業活動に対する制限の緩和も始めている。
AFP