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ヒズボラは「レバノンに蔓延する癌」と米国上院議員団が発言

米国議会の代表団は1日、レバノンのミシェル・アウン大統領と会談した。(@LBpresidency)
米国議会の代表団は1日、レバノンのミシェル・アウン大統領と会談した。(@LBpresidency)
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02 Sep 2021 04:09:27 GMT9
02 Sep 2021 04:09:27 GMT9
  • マーフィー上院議員は、訪問中、汚職事件に関与したいかなる政府関係者も米国の制裁対象になると警告
  • 今週末に新政府が発足すると見られる中、代表団はレバノンのアウン大統領に対し、米国政府はレバノン政府と連携することを確約

ナジャ・フーサリ

ベイルート:クリス・マーフィー上院議員が率いる米国議会代表団は1日、ミシェル・アウン大統領と会談し、今週末までに新政府が樹立される見込みの中、この荒廃した国を発つ前に、レバノン大統領に対して厳しい言葉を投げかけた。

「ヒズボラはテロ組織であり、地域に破壊をもたらし、レバノンに蔓延する癌となっている」と、米国上院外交委員会の近東・南アジア・中央アジア及び対テロリズムに関する小委員会委員長のマーフィー氏が述べた。

マーフィー氏は、イランの支援を受ける組織ヒズボラを軽蔑しながらも、2019年に始まった財政破綻から這い上がろうとしている同国を米国は見捨てないと述べた。

「我々はレバノンを支援し続ける」と、同氏は述べた。「汚職はレバノン政府の中で繰り返されており、これは容認できない。汚職事件に関与した政府関係者は、米国の制裁の対象となる」。

大統領府広報室は、米国代表団との会談では、アウン大統領が米国代表団に対し「政府樹立のプロセスに進展がある」と語ったように、「レバノンの状況とこれからのステップ」に焦点が当てられたと語った。

米国代表団がイスラエルに向けて出発する前に空港で行われた多数のジャーナリストとの会見で、マーフィー氏は、代表団が全てのレバノン当局者から、今週末に新政府が樹立されるという確約を聞いたと述べた。

「議会代表団は、米国政府が新政府と連携することを大統領に確約した」と、マーフィー氏は語った。

レバノンは、世界銀行が19世紀半ば以降で最も深刻な危機の1つになる可能性があると言うほどの深刻な経済危機に直面している。

このような状況により、軍事機関やその他の治安部隊は機能不全に陥っている。レバノンでは、3人の異なる人物が指導者としてのかじ取りを担うよう指名されたにも関わらず、1年以上にわたって安定した政府が存在しない状態となっている。

レバノンの人口の70%以上が貧困ラインを下回り、レバノン・ポンドは暴落。闇市場ではその価値の90%以上が失われた。

また国際社会は、国の政府が樹立されていなければ、国の機関を支援する可能性は低い。

レバノンで初夏以降見られる燃料不足は、闇市場での売買を促し、ガソリンスタンドの外で対立を生じさせた。

「シリアを経由して輸送されるいかなる燃料も制裁の対象となるため、レバノンがイランの燃料に依存する必要はない」と、マーフィー氏は述べた。

「ヒズボラはオイルマネーの一部を懐に入れる組織であり、この石油はレバノンの燃料危機を解決しない」。

全国的な燃料不足による緊張は、一部の地域では武器やナイフを使った暴力的な衝突へと発展し、市民の共存を脅かしている。

また、9月末までに完全に終了する予定の補助金の段階的な解除により、ガソリンやディーゼルの価格も上昇している。治安当局の強制捜査では、全国で数百万トンの補助金付き価格の燃料を買いだめし、後で高値で売る業者の存在が明らかになった。

暫定政府のエネルギー大臣のレイモンド・ガジャール氏は1日、国民に対して次のように語った:「イラクの燃料の最初の貨物(3000万トン)は9月の第2週にレバノンに到着し、第2弾(33トンの石油)は9月の第3週に到着する」。

この燃料貨物は、一部の地域では1日に30分程度しかない電気の供給を8時間以上に増やすことを目指している。

レバノンはまた、発電所で使用予定の100万トンの燃料を購入する契約を、イラクとの間で結んでいる。

ガジャール氏は次のように付け加えた:「レバノンはイランから燃料を輸入する要請を受けていない」。

しかし、ヒズボラのリーダーであるサイード・ハッサン・ナスラッラー氏はこれまでに、第3船のイラン燃料貨物がベイルートに送られたと発言している。

ナジブ・ミカティ次期首相に近い関係筋はアラブニュースに対し、次のように語った:「イランの貨物が誰かを苦しめることはないと、ヒズボラがミカティ氏を安心させた」。

米国代表団とレバノン軍司令官のジョセフ・アウン氏との間でも、会談が開かれた。会談では、レバノン軍が国内の安定を維持できるようにするための方法に焦点が当てられた。

アウン司令官は3月に行った演説で、レバノンの支配政治階級の人々に問いかけた:「我々はどこに向かっているのか?あなた方は何を計画しているのか?我々は何度もこの状況の危険性に警鐘を鳴らしてきた。レバノン国民は飢えており、貧しく、兵士も他の人々と同様に苦しみ、飢えている」。

また、アウン司令官は、軍が外国の援助を受け入れることへの批判を否定し、次のように述べた:「もしあの援助がなかったら、状況ははるかに悪化していただろう」。

米国政府が発表した報告書によると、議会代表団はレバノンで「地域の安全保障と民主主義」に関する問題を議論しているという。

一行はレバノン滞在後、イスラエルとヨルダン川西岸地域を訪問する予定だ。

代表団の中には、上院議員のリチャード・ブルーメンソール氏、ジョン・オソフ氏、クリス・ヴァン・ホーレン氏も参加している。

マーフィー氏とオソフ氏はその後引き続きチュニジアとギリシャを訪問する。

「今、地中海の風景の中には、新しいリーダーシップと一触即発の危機が点在している」と、代表団は述べた。「我々はこの地域の鍵を握る当事者、特にイスラエルの新政府とパレスチナの指導者との直接対話を楽しみにしている」。

「今回の訪問は、チュニジアの民主主義を守り、レバノンの経済・政治危機に対処するための道筋を議論する機会を我々にもたらしてくれる。米国は中東と北アフリカ世界のためになる力とならなければならず、実りの多い旅になることを期待している」。

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