• 「新行政首都」は650万人の居住者を想定しており、今年末には最初の公務員を受け入れ予定だ

カイロ：カイロ郊外で建設が進むエジプトの新首都では、住民はスマートカードやアプリを使ってドアの解錠や支払いを行い、街灯から発信されるWi-Fiでネットサーフィンをすることになる。

少なくとも6,000台以上の監視カメラのネットワークがすべての通りの活動を監視、歩行者や車両を追跡して交通を規制や不審な動きの発見を行う。

この「スマートシティ」のデザインは、現在の広大な首都の地域とは一線を画する。

砂漠の中にゼロから建設されるこの都市は、今のところ「新行政首都」と呼ばれている。650万人の居住者を想定しており、今年末には最初の公務員を受け入れ予定だ。

エジプトの重心がカイロからナイル川から45km離れた新首都にどれだけの人々が移るのかは不明である。この賑やかな街に何世代にもわたって住み続けた一般的なエジプト人にとって、その移動とコストは大きなものになる。

しかし、移動を決めた人々には、公共料金の支払い、地域サービスへのアクセス、苦情や問題の報告を1つのアプリで行うことが約束されている。
また、高度な技術を駆使したシステムにより、水漏れや故障を検知したり、住民がその消費量を把握したりすることで、無駄を省くことができるとしている。

都市を建設している、軍と政府による国営企業である、都市開発行政首都（ACUD）の技術責任者であるモハメド・カリル氏は、「モバイルアプリを使えば、市民は携帯電話で生活のすべてを管理することができます」と語る。

当局は、この新都市を旗艦プロジェクトとするアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領の下で進められている他の開発でも、この技術を転用し、同期させることを計画している。

「このモデルは、現在建設中の14の新都市すべてに適用されます。私たちの目標の1つは、都市の統合です」とカリル氏は説明する。
エジプト人の中には、この技術的な後押しを待ち望んでいた者もいる。

「市民にとっては非常に便利なものだ」と、53歳の貿易商であるタルク・ハビブ氏はカイロ中心部にあるモガンマで語る。この建物はここ数十年、エジプトの官僚機構の総本山であったが今は空になりつつある。

新首都のための技術・通信契約は総額6億4,000万ドルで、後の段階では9億ドルになる可能性があるとカリル氏は述べている。パートナーにはファーウェイ、Orange（仏通信企業）、マスターカードなどが名を連ねている。

ハネウェル社が開発した監視システムは同社によると「人混みや交通渋滞をモニターし、盗難事件を検知し、不審者や不審物を監視、緊急時には自動アラームを作動させる」という。

建設作業が続けられているため、監視のレベルやそれに対する懸念はまだ検証されていない。

政府関係者によると、監視技術は犯罪の検出と安全性の向上を目的としており、データはエジプトの法律と国際基準によって保護されるという。

ロイター