
エルサレム:イスラエルは月曜日、ユダヤ国家のボイコットを支援したとする主張を巡る長期の法廷闘争を経て、ヒューマン・ライツ・ウォッチの支部代表を追放することになっている。
ニューヨークに拠点を置く人権団体のイスラエル・パレスチナ地域の代表を務めるアメリカ国民のオマル・シャキルは、この訴えを否認し、イスラエル政府は反対意見を抑圧しようとしていると非難した。
当局によると、午後に予定されているシャキルの強制送還は、ボイコットを支援した外国人の追放を可能とし、イスラエルが2017年に定めた物議を醸した法律の下で、国内から追放される初の事例になる予定だ。
欧州連合や国連、その他の機関は、迫りくる追放を批判し、国連はイスラエルとパレスチナの地域で「人権擁護活動家が活動できる場所を狭める」として警告した。
しかし、イスラエルに最も近い友好国アメリカはこれに同調せず、日曜日、表現の自由を支持すると述べただけだった。
シャキルは追放されてもその職に留まり、隣国ヨルダンから仕事をすると、同人権団体は発表した。
イスラエルは、議会がボイコット、投資撤収、制裁(BDS)運動の外国人支援者の追放を命じる法律を可決したことを受けて、2018年5月にシャキルの就労許可延長を拒否した。
BDSの活動家は、同国のパレスチナ人の扱いを巡り、イスラエルに対する幅広い通商禁止を呼び掛けている。
イスラエルはこの運動を戦略的脅威と見なしており、反ユダヤ主義的だと非難している。活動家らはこれを強く否定しており、南アフリカのアパルトヘイトを終わらせることにつながった経済的孤立になぞらえている。
2017年にHRWイスラエルのポストに就任したシャキルは、異議を申し立てたが、イスラエル最高裁は今月これまでに政府の決定を支持した。
シャキルに対する申し立ては当初、彼がHRWに加わる前に行ったボイコットを支持する内容の発言に基づいていた。
しかし政府は、占領下のヨルダン川西岸のイスラエルの入植を批判したことを含め、人権団体で彼が行った活動も強調した。
「イスラエル政府は、オマル・シャキルの強制送還だけを行い、ヒューマン・ライツ・ウォッチには罰を与えていないかのように振る舞っています」と、同団体のケネス・ロス代表は日曜日に述べた。
「しかし、実際は入植に関するヒューマン・ライツ・ウォッチの中心的メッセージを理由として、彼を強制送還するのです」。
60万人以上のイスラエル人が、国際法の下では違法と考えられている占領下のパレスチナの領土やコミュニティの入植地に住んでいる。
イスラエルはこれに異議を唱え、アメリカは先週、何十年にもわたる国際的コンセンサスを破り、これ以上入植を違法とは見なさないと発表した。
アメリカのドナルド・トランプ大統領が、仲間であるイスラエルの右翼政府を支援していることが、人権団体の取り締まりを勢いづかせたのだと、ロスは主張した。
「アメリカ政府がある種の暗黙の青信号を出さなければ、オマルの強制送還が進むのは想像し難いのです」と彼は述べた。
アメリカ大使館は、シャキルのイスラエルとの件について取り上げ、「表現の自由」を支持するとしか発表しなかった。
「同時に、イスラエルのボイコットや制裁に対して我々が強く反対していることもよく知られています」と、大使館は発表した。
シャキルの追放キャンペーンを主導したイスラエル戦略問題担当省は、コメントの求めに対してすぐには回答しなかった。
一方で右派団体NGOモニターは、HRWの記録は反イスラエル的だと非難した。
「我々が賛成しないことだけを選び抜いているのです」と、同団体のジェラルド・スタインバーグ代表が語った。同団体は、国際機関がイスラエルとパレスチナ人に過度な注目をしていると論じている。
「彼らは『我々はイスラエルの政策には賛同せず、ユダヤ人の自己決定権の正当性を信じる』とは言っていないのです」と、彼は語った。
「つまりは『ユダヤ国家が存在する権利の正当性を信じない』ということなのです」と、彼は論じた。
HRWはこの主張を強く否定した。
NGOモニターは、政府の訴訟に証拠を提供し、スタインバーグは、ビザの更新をしないことは、民主主義における「一般的な行為」だと論じた。
しかしスタインバーグは、イスラエルの動きが、その批判者に与する否定的な宣伝を生んだことは認めた。
「これは彼らの術中にはまっています」と彼は語った。「シャキルはこれを利用し、騒ぎながら空港から出て来ることでしょう」。
ロスは、イスラエルの動きが実際にイスラエルによるパレスチナの領土の占領に対する監視を強めることになったと認めた。
「世界は騙されていません」と、彼は語った。「何かを検閲しようとする時、最初にするのは、『検閲しようとしているのは何?』と尋ねることです」。
AFP通信