
アラブニュース
ジェッダ:イスラム協力機構(OIC)の独立常設人権委員会(IPHRC)は、イスラエルが同国内北部の厳重に警備された施設で起きた脱獄事件への批判をそらすために取った、報復の意味合いを持つ懲罰行動を強く非難した。
IPHRCは声明の中で、イスラエルの刑務所職員たちが治安強化を名目としながら報復を意図してパレスチナ人の囚人を独房に入れたり、集団的な嫌がらせ、暴力的な扱いや拷問を行っていると訴えている。
「さらに、イスラエルの治安部隊は、罪のないパレスチナ市民、特に逃亡中の囚人の近親者を対象に、戸別訪問による捜索活動を始めています。これらの報復措置はあまりに行き過ぎたものであり、いかなる法的根拠もなく、国際的な人権および人道法に違反しています」と声明は指摘している。
IPHRCは、今回の事件によって、イスラエル当局がパレスチナ人の囚人に対して長い間行ってきた深刻な人権侵害の問題が再び注目を集めることになったとしている。
「イスラエルは、女性や子どもを含む何千人もの無実のパレスチナ人を、『治安への違反』という根拠の薄弱な罪で投獄し、裁判を受ける権利を真っ向から否定し正義に訴える機会も与えないまま、何年にもわたり恣意的な行政拘留を繰り返しています」とIPHRCは非難している。
また、イスラエルの人権団体、拷問防止公共委員会(Public Committee Against Torture)は、2001年から2020年の間に、イスラエル司法省に約1,300件の拷問に関する苦情が寄せられたが、その中で刑事捜査が行われたのはわずか1件、起訴に至ったものは0件であり、極端な処罰回避と正義の欠如が明らかだと報告している。
加えてIPHRCの声明は、「またイスラエルの治安部隊は、しばしば真夜中に逮捕を強行し、その際女性や子どもに対して不必要に強圧的な扱いをしたり、拘束中にも身体的虐待を行ったりといったことが常態化している」と主張している。
IPHRCは、イスラエルが国際的な人権法および人道法に基づく数多くの義務を負っており、その中には、パレスチナ人の囚人を公判前の拘留において正当な手続きに基づいて扱い、彼らが公正な裁判を受ける権利を保証することも含まれている点を強調している。
「この(パレスチナ人囚人の権利を守るという)目的のため、私たち独立常設人権委員会は、医療の提供、公正な裁判を受ける権利、定期的な家族の訪問を認めることなど、囚人の生活と福祉を守るための措置を優先的に実施する必要性を強調しています」とIPHRCは声明で述べている。