
ハーグ:国際刑事裁判所(ICC)の新任検察官は金曜日、著名な人権派弁護士であるアマル・クルーニー氏をスーダンのダルフール紛争に関する特別顧問に指名した。
クルーニー氏はこれまで、ハーグに拠点を置く世界唯一の常設の国際刑事法廷であるICCで、数々の案件に携わってきた。
ダルフール紛争を担当するクルーニー氏の役職は、7月に就任した英国人のカリム・カーンICC検察官が新設した複数の特別顧問職の一つである。
カーン検察官は発表した声明の中で、「このような優れた専門家集団を迎えられたことを大変嬉しく思うとともに、彼らが私の特別顧問を務めてくれることに感謝しています」と述べています。
クルーニー氏の夫であるハリウッド俳優のジョージ・クルーニー氏は、長年にわたりダルフール地域の人権擁護活動を行っている。
国連によると、2003年から4年にかけてのダルフール紛争では、30万人が死亡し、250万人が家を追われた。
当時、独裁者オマル・アル・バシール前スーダン大統領率いるアラブ人主導の政権が退陣後に、組織的な差別を訴えるアフリカ系少数民族の反政府組織が蜂起したことにより戦闘が始まった。
ロンドン在住のアマル・クルーニー氏は、ダルフール紛争の被害者を代表して、スーダン政府が創設した悪名高い民兵組織である「ジャンジャウィード」の民兵のリーダー、アリ・クシャイブ氏とICCの訴訟の中で、ICC側の弁護を担当した。
また、クルーニー氏はイラク、ミャンマー、フィリピンなどの人権案件や、レバノン、旧ユーゴスラビアなどの刑事事件を相次いで担当している。
昨年、クルーニー氏は英国政府が欧州連合(EU)離脱条約に違反するという「嘆かわしい」決定をしたことに抗議して、メディアの自由のための英国政府特使を辞任し、話題となった。
AFP