

ベイルート:レバノンのナジーブ・ミカティ首相は、ヒズボラによるイラン製燃料の輸入はレバノンの主権を侵害するものだとの見方を示した。首相官邸が発表したコメントの中で明らかにされた。
官邸はツイッターへの投稿でも、ミカティ首相がCNNによるインタビューで「レバノンの主権への侵害を悲しく思う」と語ったことを伝えている。
首相はまた、イランからの燃料輸入が「レバノン政府の関与なしに行われたものであるため」レバノンへの「制裁が課される可能性については心配していない」と付け加えた。
親イランのヒズボラは16日、イランからの燃料を積んだタンクローリーを受け入れ始めた。レバノンの深刻なエネルギー危機を緩和するための措置だとヒズボラは主張している。
さらに、1隻のタンカーが燃料をシリアに運び、そこからレバノンに移動している。シリアとイランはともに米国の制裁下にある。
一方、国営メディアが伝えたところによると、レバノン当局は昨年ベイルートの港で起きた爆発事故の原因となった硝酸アンモニウム20トンをベッカー高原東部で押収したという。
硝酸アンモニウムは無臭の結晶性物質で、一般的には肥料として使用されているが、過去数十年にわたって数多くの産業爆発事故の原因となってきた。
レバノン国営通信によると、レバノン-シリア間の密輸活動の拠点と見られるベッカー高原東部の肥料倉庫を治安部隊が急襲した。
部隊は倉庫に駐車していたトラックの中から危険な硝酸アンモニウム20トンを押収し、その後押収物は「安全な場所」に運ばれたと国営通信は伝えている。
治安部隊にこの急襲作戦の実施を要請したのはバッサム・マウラウィ内相である。内相は「大惨事が再び起きないようにするため、私たちはあのような危険物質を熱や日光を避けた安全な場所に移動させるよう万全を期さなければなりません」と述べている。
硝酸アンモニウムの所有会社は、あくまで農業用の肥料としての使用を意図したものだと主張している。
ロイター/AFP