

バグダッド:土曜日、イラクの反政府デモ参加者はナジャフのイラン領事館に放火した。放火はこの1週間で2度目となる。アブドルマハディ首相の辞任は承認されたもののその後もデモは続いている。
イラクでは汚職、経済的困窮、公共サービスの不備などに抗議するデモが2か月続いているが、これに対してイランの画策による暴力的介入が行われ、420人以上が殺害された。
1月に南部の都市クートで民間人7人を殺害したとして警察少佐に死刑、中佐に禁固7年の判決が下ったのは反政府側の人々の勝利と言える。
日曜日フランシスコ教皇は弾圧を非難し「私はイラク情勢の推移を不安を持って見守っています。ここのところ抗議デモに厳しい対応がなされていると聞いていますが胸が痛みます」と語った。教皇は来年のイラク訪問を希望している。
一方では死亡したデモ参加者の葬儀が行われ、バグダッド北方のスンニ派が優勢なサラヘディン県では初めて追悼者が行進した。
シーア派の8県でも追悼の日が設けられた。この日政府官公庁は休業となる。
ナジャフでは衝突が続き、シーア派寺院の一部に放火したデモ隊に向けて民間人の服装をした武装男性らが発砲した。
アブドルマハディ氏は、多大な影響力を持つシーア派宗教指導者大アヤトラ アリ・シスタニ師の要請に従い辞任、議会は日曜日内閣総辞職を認めた。今後バルハム・サリフ大統領に後継首相指名が要請される運びとなる。
しかし反政府デモ参加者はより広範な変化を認めている。「アブドルマハディはもちろん退陣すべきだ。同様に議会も政党もイランも退くべきだ」とバグダッドでデモに参加していた人は語った。
イラク議会は日曜日投票を実施し、アブドルマハディ氏辞任を承認した。イラクシーア派トップの聖職者大アヤトラ アリ・アル = シスタニ師が議会に、暴力に歯止めをかけるためアブドルマハディ氏支持取り下げを考慮するよう要請、アブドルマハディ氏はこれを受けて金曜日に辞任の意を固めていた。
議会報道担当局の声明には「イラク議会は大統領に新首相指名を要請する」とある。
軍警察関係者によると、首相自身を含むアブドルマハディ政権は新政権選出までは暫定政権の地位にとどまる。
バルハム・サリフ大統領は憲法に基づき議会最大勢力に新首相指名を要請、組閣が行われる予定である。そしてこれを契機に何週にもわたる政治論争が始まるだろう。