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レバノンのジョージ・クルダヒ情報大臣がフーシ派を擁護し、またもや物議を醸す

レバノンのジョージ・クルダヒ情報大臣。(AFP通信)
レバノンのジョージ・クルダヒ情報大臣。(AFP通信)
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27 Oct 2021 06:10:45 GMT9
27 Oct 2021 06:10:45 GMT9

アラブニュース

ドバイ:レバノンの情報大臣が、「一時的な軍事クーデター」が発生し、レバノンの政治状況が再構築されることを願うと語っている映像が26日に出回ったことで、またしてもソーシャルメディアで大きな議論を引き起こしている。

「私はレバノンで軍事クーデターが起きることを願っています。クーデターと言っても一時的なものですよ。レバノンの政治状況を再編してくれるようなクーデターが起きてくれたらいいと思います」。レバノンの現情報大臣であるジョージ・クルダヒ氏が短い動画の中で、あるテレビ番組の司会者に対してそのように語っているのが確認できる。

独立系メディアプラットフォームのメガフォン(Megaphone)が、2分半の当該動画をツイッターに投稿し、現在までに6000千人近くが視聴している。

レバノンのニュースポータル・アンナハール・オンライン版によると、動画は「人民の議会」を意味するBarlamanasha3bというメディアにより行われたインタビューの一部で、実施日は8月5日。

当時クルダヒ氏は、9月に組閣されることになるナジーブ・ミカティ内閣の情報大臣には指名されていなかった。

司会者がクルダヒ氏の発言に反論し、「一時的な軍事クーデターなどというものは、存在しないと思いますが」と言うと、クルダヒ氏は「いえ、一時的な軍事クーデターは存在しますよ。(クルダヒ氏の考えでは)少なくとも5年間続き、新たな政治体制が再任されるようなクーデターです」と持論を続けた。

Barlamanasha3bの司会者が、現在イエメンで起きていることについてのクルダヒ氏の立場を尋ねると、「彼らは(フーシ派を指して)彼ら自身を守っているのです」と同氏は述べた。

クルダヒ氏は感情的な調子で疑問を投げかけた。「彼らは誰かを攻撃しているのですか」

「イエメンの紛争はばかげており、やめるべきだと私は考えています」と氏は述べた。

番組の共同司会者が、サウジアラビアの一般市民やその資産に対する、一向にやまないフーシ派のドローン攻撃について尋ねると、クルダヒ氏は「確かにそうです。しかし、フーシ派の人々を人間として見てあげることもできるはずです。フーシ派も被害を受けているのです。自宅や資産、村や広場、葬儀会場や結婚式場が戦闘機により爆撃されているのです……そろそろこの紛争を終結させるべきなのです」と応じた。

クルダヒ氏は「イエメンの紛争は馬鹿げている」とする見解を繰り返し述べた。

同氏は続けた。「自由を求め、レバノン人の土地を解放するために行われているヒズボラの取り組みと、外国勢力の侵略から自らを守っているフーシ派の努力を同列に置くことはできません」

動画の中で、共同司会者はクルダヒ氏に対し、サウジアラビア人とUAE人を「外国の侵略勢力」と捉えているかどうかを質問している。

「どういうことですか」。クルダヒ氏はためらいがちに、顔を前に傾けた。すると、共同司会者が質問を言い換えて尋ねた。「あなたはサウジアラビア人とUAE人らを、イエメンに対する外国の侵略勢力と考えているのですか」

「侵略ですか。確かに侵略行為が起きています。サウジやUAEの人々のためではありませんが、最近5、6年あるいはそれ以上かもしれませんが、確かに侵略行為が行われています」。クルダヒ氏がそう述べると、女性の司会者が彼の発言を訂正した。「8年間ですよ」

「8年間も(侵略行為が)継続しているのです!もう十分でしょう!2、3年で達成出来なかったことは、8年あっても成し遂げられないでしょう。だから、この紛争は馬鹿げたものになったというのが私の意見です」と同氏は締めくくった。

レバノンのMTVニュースはサウジアラビアの情報源を引用し、アラブ諸国に対するクルダヒ氏の攻撃的な発言は「インタビューの行われた時期に関係なく、彼自身の意志を現に示している」ために、サウジアラビアは深刻な外交的危機に直面している、と公式ツイッターに投稿した。

ベイルートに拠点を置くワシントン・ポスト紙のサラ・ダドゥーチ特派員は、駐レバノンサウジアラビア大使が、「ジョージ・クルダヒ情報大臣の発言のために、我々は厳しい外交的危機に直面している」とするサウジアラビアの情報源を引用する複数の記事をつい先程リツイートしたとツイートした。

一方、ハッサン・サジュワニというUAEのツイッター利用者は、「レバノン首相、ジョージ・クルダヒ情報大臣の発言は、イエメン問題に関するレバノン政府の公式見解を示すものではないと述べる – アル・アラビヤTV」とツイートした。

テレビ番組の元司会者であるクルダヒ氏は過去にも、シリアのバッシャール・アサド大統領から職場でのハラスメントに関する問題に至るまで、問題発言をして議論を巻き起こしてきた。

有名で、多くのレバノン人からの支持を集める71歳のメディア界の大物は、汎アラブ版の『クイズ・ミリオネア(Who wants to be Millionaire?)』の司会を数年間務め、名声を獲得した。

アラブニュースは、クルダヒ氏の議論を呼ぶ政治的発言は当時は重大でなかったかもしれないが、レバノンの内閣の一員となった今では明らかな問題であると、以前に報道した。

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